日本の評判

世界は日本をどう見ているか。 英語と中国語のメディアから日本に関する記事をとりあげ、考えます。

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お互いを否定的に見ているアジア人(2)


遅ればせながら、「お互いを否定的に見ているアジア人」(1)の続きで、アメリカのPEWという機関世論調査の結果です。


中国と日本相互の嫌悪

中国人と日本人はお互いの国についていい印象を持っていない。中国人で日本を好意的に見ているのは5人に一人(20%)に過ぎない。一方、28%の日本人は中国に対して肯定的な意見を持っているが、半分以上(55%)が中国を好意的に見ていた2002年からはかなり下がっている。

中国人と日本人はお互いの中に否定的な特徴を見ている

そのうえ、ほとんどの中国人と日本人はお互いの国の人々を否定的な特徴と結びつける傾向がある。とくに、両国ともお互いを競争心旺盛、強欲、傲慢と考えている。日本人は特に中国人を民族主義的で利己的だと言い、中国人は日本人を男性支配的だと見る傾向がある。

肯定的な面では、両国の大多数はもう一方の国民を勤勉だと見ている。そして中国人の多くは日本人を創意に富んでいて現代的だと見ているが、日本人は中国人をそうは見ていない。日中両国とも、ほとんどの人が相手を洗練されている、寛容、正直、気前がよいとはみなしていない。


2002年に半分以上の日本人が中国を好意的に見ていたなんて、今からすると信じられないようなことですね。あれからサッカーアジアカップのブーイングがあり、去年の反日暴動がありで、日本人の中国に対する見方が大きく変わったということです。


小泉と胡錦濤を評価する

退任する日本の小泉純一郎首相は国内で比較的人気を保っている。61%の日本人が外交問題で彼が正しいことをしていると、大いに、あるいはいくらかは信頼している。しかし中国では小泉は点が低い-58%があまり、あるいは少しもこの日本の指導者を信頼していない。日本人はお返しに中国の指導者に対してもっと否定的な評価をしている。-71%が胡錦濤中国主席をまったくあるいは少しも信頼していない。

ほかでは、48%のインドネシア人は大いに、あるいはいくらかは小泉を信頼しているのに対して、あまり、あるいは少しも信頼していない人は26%しかいない。胡錦濤に対してはもっと意見が分かれている。37%が少なくともいくぶんかは信頼していると言い、33%があまり、あるいは少しも信頼していないと言う。

インド人は小泉を概して信頼する人(30%)としない人(30%)に分かれている。彼らの胡錦濤に対する見方はもっと否定的で、37%があまり、あるいは少しも信頼しないといい、24%が少なくともいくぶんかは信頼していると言う。

日本人と中国人はお互いの国の指導者をほとんど信頼していない



この表で注目すべきは、中国での胡錦濤に対する評価のところが空欄になっているところでしょう。中国では政権に対する支持度を問うような世論調査をすることは許されないのです。

インドネシアとインドで小泉さんへの評価が胡錦濤よりも高いのも面白いですね。靖国神社参拝が「アジア諸国」の反発を招いているという中国や一部国内マスコミの宣伝が必ずしも真実ではないことを示しています。

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テーマ:中国問題 - ジャンル:政治・経済

  1. 2006/11/08(水) 08:05:14|
  2. 日本外交
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日本の核武装?心配するな

アジアタイムズより


日本の核武装?心配するな

深呼吸して。私の後に繰り返して。「日本は核兵器を開発しない」 繰り返し。安心した?

確かに、伝えられる北朝鮮の核実験は地域安全保障秩序への打撃だ。それは外交の苦い敗北だ。そして確かに、日本人(そして中国人、アメリカ人、韓国人その他)はその影響について懸念している。しかし日本が核兵器を開発するという危惧-想定?-はまったくの幻想だ。核の選択は、それが取り除くよりもさらに多くの不安定と危険性をもたらす、最後の絶望的な手段だということを日本人は理解している。

なるほど、北朝鮮の実験は日本の国家安全保障計画を複雑化し、人々の不安をかきたて、保守派やナショナリストがより強固な防衛体制を要求するための十分な材料を提供する。安倍晋三首相らは憲法改定の必要性を説くためにそれを引き合いに出すだろう。10年以上前、当時の羽田孜首相は日本は核兵器を保有する能力があると認めた。

しかし、能力だけがその国の安全保障政策を決めるのではない。意図はもっと重要だ。日本は依然として核兵器を開発する意志を欠いている。そしてそれにはもっともな理由がある。おそらくもっとも強力なのは日本の核タブーだろう。第二次大戦の記憶は人々の意識の中でまだ強く、日本の大衆には独自の核兵器能力を開発することへの強いアレルギーがある。(もうすぐこの問題についての世論調査があるだろう。質問の言葉遣いに注意)

重要なのは、日本の安全保障政策立案者が、核兵器は状況を不安定化させ、日本の安全を脅かすと考えていることだ。日本の核武装は世界の核不拡散の秩序を損ない、近隣諸国間の不信感を生み、戦略的意図について同盟諸国に疑問を持たせる。

これは最近核の選択肢を国として研究するように呼びかけた中曽根康弘前首相を駆り立てた論理だ。彼はその道を支持していない-最優先事項は非核国家であり続けることで、二番目が核不拡散条約(NPT) の下での体制を強化することだと彼は説明した。しかしこの問題について国民的に議論するのはよいことだと彼は理解している。それは安全で信頼に足る安全保障政策の基礎を築き、その政策を実行するのに必要な合意を得るための助けになるだろう。

日本人は北朝鮮の核兵器が安全保障状況をどう変えたかを問わなければならない。それは新しい波紋を付け加えたが、北朝鮮の核が本質的にどう状況を変質させるかを見通すのは難しい。アメリカの核の傘は機能している。そして、核抑止力が、世界を何度も破壊できるほどの武器を持ったソ連に対して有効だったのに、ちっぽけな武器しか持たない北朝鮮に対してなぜ有効でないのかはっきりしない。

実際、日本は核の選択肢についてすでに研究している。1960年代、佐藤内閣はその可能性を検証し、アメリカの核の傘を確保するために、その道に進むという意志を利用した。〔 アメリカが核の傘を提供しないのなら、自前の核を持つ用意があることを示した=訳者注 〕30年後、最初の朝鮮の核危機のあと日本の防衛庁の要請でなされた研究は、日本の核武装はほとんど意味を成さないと結論づけた。

それは国のイメージを損ない、NPTを無力化し、地域内の他の国の対抗手段(核開発を含む)を誘発し、おそらくアメリカとの同盟関係を脅かし(日本が自国で防衛できるのにアメリカがかかわる必要があるのかという疑問が持ち上がることで)、そしてそれと引き換えに日本にごくわずかな安全保障しかもたらさない。日本はあまりに小さく、人口が密集している。どの国の攻撃に対しても脆弱だ。

その論理は変わっていない。核兵器は日本に防衛能力を付加しないばかりか、安全保障権益の中核に深刻な損傷を与える。立派なことに、日本人はそのことがわかっている。ちょうど、、今週はじめ、安倍が「核武装は我々の選択肢のうちにないという政策を変えるつもりはない。我々の非核原則に変更はない。我々は平和的外交的手段での解決を追求したい。」と国会の委員会で説明したように。

唯一予測のつかないのが日本の安全保障へのアメリカの関与だ。もし日本政府がアメリカがぐらついていると感じたなら、自前の核が意味を持つだろう。したがって、北朝鮮の実験後のつのる不安への解答は、同盟を強化する努力-双方の政府による-を続けることだ。立派なことに彼らはそうしている。


日本の核武装って、深呼吸して安心させなければならないほど恐いことなんですかね。

この記事の目的は日本の国内状況を外国人に知らせて安心させることにありますが、もうひとつ、日本人に核を持たないほうがいいぞと説き聞かせる意図があると考えるのはうがちすぎでしょうか。


自民党の中川昭一政調会長は核兵器の保有について大いに議論しなければならないと述べましたが、そのとおりだと思います。その際に重要なのは利害得失を冷静に分析することであり、避けるべきは「日本は唯一の被爆国だから」などという情緒論だと思います。

それにしても、「議論すべきだ」と言う人はいますが、「保有すべきだ」と主張する有力な政治家はいませんね。中韓に北朝鮮制裁に本腰を入れさせるためにも、そういう人が出てきてもいいと思うんですが。




話は変わって、コメント欄にも書きましたが、「オクシデンタリズム」というオーストラリア人のブログから引いておきます。原文も日本語です。


最初ブログを始めた頃は多くの英語圏の韓国ブログの読者(ブログのライターも)が韓国側の独島(正式の名称は竹島)の主張や「日帝時代の略奪」の主張やいわゆる慰安婦問題の主張に関して完全に信ずるし、韓国が被害者であり、日本の方が反省も謝罪も賠償もしない悪魔のようなとんでもない国という意見が一般だったと言っても大げさではありません。

しかし最近、ブログの世の中は変わりつつあります。オクシデンタリズムから普及された情報によって英語圏のブログ読者やブログライターが責任を持って、無条件に韓国側の主張を信じないようになりました。このような傾向があって、自分で言いますが、オクシデンタリズムはこの肝心な情報を普及させる機関であります。


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  1. 2006/10/19(木) 06:05:25|
  2. 日本外交
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中国と日本・変化したのは‥

少し古いですが、9月28日のインターネット版人民日報(解放日報からの転載)です。


安倍新政権 時勢をよく見て判断するのが賢明だ

まだ自民党を率いて来年の参院選を乗り切らなければならないとは言うものの、日本政界の“安倍時代”はすでに幕が開いたのは間違いない。しかし、舞台に上った新首相はスポットライトを浴びるだけでなく、影の部分で面倒なことに直面しなければならない。

たとえば、安倍新政権についていえば、最も切迫した外交難題は、日本がアジア外交を改善すること、とりわけ日中関係を修復することだ。日中関係修復の指標になるのは、両国が首脳会談を再開できるかどうかだ。首脳会談の障害がどこにあるかは日本側がよくわかっているはずだ。

今までの安倍のアジア外交に対する姿勢には、ぼろが出ないように取り繕おうとしても取り繕えない両面性があることがわかる。一方ではこのタカ派人物は積極的な態度をとる。たとえば、彼は中国韓国等の近隣諸国との関係を強化しなければならない、中韓両国との首脳会談再開のために努力すると述べたことがある。しかしもう一方では、前任の小泉純一郎のように、公然と靖国神社を参拝し続けるのではないものの、参拝問題についてあいまいな態度をとり、参拝するのかしないのかはっきりさせるのを避けてきた。彼はまた、日中関係は政経分離すべきだとも言っているが、言外の意味があるようだ。

首相の参拝問題は日本政府の歴史観を反映する。このような重大事に“あいまい戦術”をとっていたのでは、両国関係における政治的障害を取り除き、問題を適切に解決することができないのは当然だ。

実際は、今の国内外の雰囲気は安倍首相が賢明な決断を下すのに有利だ。たとえば、日本の民意の参拝に反対する声は絶えることがない。安倍首相当選後の日本全国緊急電話調査では、51.3%の人が安倍は靖国神社に参拝“すべきではない”と考えており、半数を超えた。そして参拝“すべき”だと答えたのはわずか33%だ。

注目に値するのは、故昭和天皇裕仁が第二次大戦A級戦犯靖国神社合祀に強い不満を表し、ゆえに1978年以後参拝をやめたという“富田メモ”がメディアにとりげられた後、日本国民で首相の参拝を支持する人が激減した。たとえば、日本のマスコミが転向し始めた。日本≪新聞協会報≫がひとつの調査を発表した。今回の自民党総裁選で安倍の二人のライバル、麻生太郎と谷垣禎一はそれぞれ解決策を提示した。

そのほか、安倍が自民党総裁に当選して、首相を引き継ぐ際、中韓等の隣国は関係改善の要望を次々と表明した。日本側が誠意を持って応じるならば、首脳の往来はそれほど難しいことではない。

それに、参拝問題はすでにいわゆる“中韓だけがこだわっている問題”ではない。それはますます国際社会の関心を集めている。さきごろ、アメリカ下院国際関係委員会委員長のヘンリー・ハイドは小泉首相がアメリカに来て議会で演説することを拒否することを要求する書簡を出した。最近、≪ニューヨーク・タイムズ≫インターネット版は「安倍晋三のアジア再挑戦」と題する記事を掲載し、次のように書いた。安倍が成功を収めたいのなら、過去の失敗した政策と決別しなければならない。起点は中国との関係を修復すること、まず小泉の挑発的な行動-戦犯の位牌のある靖国神社を参拝する―を継承しないことを宣言しなければならない。

ファイナンシャル・タイムズの記事は安倍をニクソンになぞらえた。中国に対して卑屈な態度をとりそうにないので、アメリカのニクソン前大統領のような有利な点がある。どんな右翼人士でも保守的でないと非難できない安倍首相が、大局を重んじ、政治的智恵と勇気を発揮して参拝問題において明確な決断をし、小泉の任期中に頓挫した中日首脳会談を再開できるか、注目して待とう。


この記事は安倍さんが靖国神社に参拝しないと宣言するのが日中首脳会談、ひいては関係改善の絶対条件だとして彼に決断を促していますが、結局方針を変えたのは胡錦濤のほうでした。

この間の事情を10月14日の人民日報(「中国社会科学院報」からの転載)が説明しています。


安倍の訪華には積極的な意義がある
(前略)
自民党総裁選期間中、彼〔安倍〕は靖国神社を参拝したかしていないか、今後参拝するかしないかを明らかにしないと何度も表明した。総裁に就任してからすぐに、1995年の村山富市首相の植民地統治と侵略に対して謝罪した談話と、河野官房長官の“従軍慰安婦”問題を謝罪し反省した談話を継承すると表明し、東京裁判、A級戦犯等の問題への姿勢も進歩があり、対中関係で未来の両国関係を開くと表明した。この変化は中国側が呼応措置をとることを可能にした。

中国側の呼応措置は、安倍首相は「靖国神社を参拝したかしていないか、今後参拝するかしないかを明らかにしない」が、中国側が首相が靖国神社を参拝しないと判断できる状況が整いさえすれば、安倍の訪中に同意し、首脳会談を実現させる。中国側が宣言した内容は:「中日双方は、両国関係の政治的障害を克服し、両国の友好協力関係の健康的な発展を達成させることで一致した。これに鑑み、中国国務院総理温家宝の招請に応じ日本国内閣総理大臣安倍晋三は10月8日から9日に中国を正式訪問する。」
(後略)


これじゃあ、後でひと悶着起きるのが確実ですね。

安倍首相は、靖国神社を参拝しないという約束はしていないと言っています。なのに中国は参拝しないと判断できる状況が整ったと言う。何をもってそんな判断をしたのかまったく意味不明です。まさか安倍さんが中国と密約を交わしたのではないでしょう。

これで来年安倍さんがもし参拝しなければ日本国内で大きな反発が生じることは間違いありません。それならはじめから参拝しないと宣言しておくべきだったと。だから参拝しないということはないでしょう。参拝すると思います。

それならそれで今度は中国側で騒動が起きそうです。何しろ日本の首相が靖国神社に参拝するのは「中国人民の感情を傷つける」のですから。
胡錦濤主席がその首相とにこやかに握手していたとなっては大変です。中国では親日派というのはすなわち漢奸であり売国奴です。親日派と指弾されることは政治家として命取りになりますから、なんとしても避けなければならないことです。

そこで思い出されるのが先月あった上海市党委書記陳良宇の解任です。江沢民派だといわれる陳の解任は、胡錦濤が江沢民の勢力を排除して権力基盤を固めた結果だと解釈されるでしょう。

安倍首相の招請は、もし万が一首相が後に靖国神社を参拝しても、誰からも攻撃されない、誰にも攻撃させない体制を築いた自信を胡錦濤がもったことを意味するのではないかと思います。

安倍首相が村山河野談話を継承すると表明し、東京裁判を認めたといっても、それは前政権の立場と何も変わっていません。変化でないものを変化と言い繕い、安倍さんが靖国神社を参拝しないと判断できる状況にないのに、そう判断したことにする。胡錦濤にはよほど安倍さんと会談しなければならない理由があるのでしょう。

中国では経済界をはじめとして日本側が中国との関係改善を望んでいるとの報道が大勢ですが、すくなくとも中国側も同じだけそれを望んでいるというのが本当のところでしょう。

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  1. 2006/10/15(日) 09:05:29|
  2. 日本外交
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日本は核武装するか

前回言及したインターナショナル・ヘラルド・トリビューンのもう一本の記事 Martin Fackler 爆発は日本の新指導者の強引な政策をてこ入れするだろう です。


前回北朝鮮が強力な新兵器の実験をしたとき―1998年、日本最大の島を飛び越える弾道弾を発射した―日本は軍事力強化と政治的な右旋回で応じた。

今、外見上の核実験は日本を同じ保守の道に押しやるかもしれない。実験は、まだ確認されていないが、日本の戦後平和主義への支持を弱め、日本が地域安全保障に果たす役割を高めるように促すだろう。

しかしこの危機は戦後最大のタブーと打破し、核武装へ日本を向かわせるほど大きいか?

北の気まぐれで孤立した共産政権が突然核の起爆実験を行ったら、日本政府はそうするだろうと推測した人もアジアにはいた。しかしアナリストが言うには、その目論見に対する国内の反対は相当に深く、日本が非核原則を変えることはない。

日本に兵器級核物質の備蓄があることは知られている。それは民生用原子力発電と調査研究のために使用されているが、日本政府がその気になれば、数ヶ月で爆弾を製造できるとする研究もある。しかし、北が行ったと称する実験は、日本が核武装うするべきだという声を強めはするが、それは極右勢力に限定されるだろうとアナリストは言う。

1945年広島長崎に原爆攻撃を受けた唯一の国である日本で、核武装のもくろみは広範囲で情緒的な反対に直面するだろうとアナリストは言う。日本が核武装する可能性はまた、日本の侵略の記憶がいまだ生々しいアジア諸国を戦慄させるだろう。

むしろ、月曜日の外見上の実験の結果としてありそうなのは、日本の安倍晋三新首相と、日本をより自己主張の強いタカ派的方向へ導こうとする彼の呼びかけへの一般の支持が集まることだろう。とくに、日本の反戦憲法を改定し、日本が一人前の軍隊を持てるようにしようという安倍の目標を達成するチャンスが高まるだろう。

世論への衝撃はミサイルよりも核実験のほうが大きいことが立証されるかもしれないと曽根泰教慶応大学教授は言う。「北が核実験をしたからといって日本が核武装することにはならないが、安倍さんを彼の政策への大きな助けとしての“北からの風”にはなるだろう。」

今のところ、安倍は危機対応における主導的役割を果たそうとしているようだと曽根は言う。月曜日、安倍をはじめとする日本の指導者は 核実験と称するものを即座に非難し、日本はアメリカ、韓国、中国と緊密に連繋して対処していくと述べた。

安倍は、事前に予定されていた盧武鉉韓国大統領との会談に臨んでいたソウルで、実験を「日本と韓国と近隣諸国の安全保障に対する深刻な脅威だ。」と非難した。

「我々は北朝鮮の核兵器の開発と生産を容認できない。断固として対応しなければならないことを我々は合意した。」と、盧との会談の後の記者会見で安倍は述べた。「我々は新しい危険な時代に入った。」

安倍はまた、詳細は示さないものの、日本は経済制裁を検討していると述べた。彼はまた、アメリカと共同開発中のミサイル防衛システムへの参加を拡大することで対応かもしれないと言った。

東京では塩崎恭久官房長官兼政府主席報道官が、日本はアメリカとともに北に対する経済制裁を含む国連による行動を追求していくと述べた。

日本の国有放送局NHK は自衛隊(日本は軍隊をそう呼ぶ)の司令官が緊急会議のために東京に集まったと述べた。麻生太郎外相は、アメリカ政府と緊密な連絡を取って情報交換と対応の協議をしていると言った。

当面の問題は、北が主張しているように、実験をしたのかどうかと言うことだ。日本の気象庁は日本中の地震計が午前中の日正常なゆれを検知したと言った。弱い地震の規模のマグニチュード4.9だ。

アナリストは、北が核装置を爆発させたのだとしても、日本の政策や世論にどのような影響を与えるかは未知数だと言う。

1998年、北が日本を越えて多段式ロケットを発射した後、日本の世論は強力な防衛力構築への支持に劇的に変化した。即座の対応は初のスパイ衛星を飛ばすと言う日本政府の決定だった。

その後数年、日本はほんの十年前には考えられなかった武器を装備し始めた。その中には、小さな空母として機能すると専門家が言う部隊輸送船や、日本の戦闘機が北朝鮮まで到達することを可能にする燃料補給機がある。

日本の軍事面での対応は、短期的には、アメリカの共同開発するミサイル防衛での役割を拡大することにとどまりそうだとアナリストは言う。

しかし外交では、現在の危機は、日本が国際関係における戦後の伝統的な受動性から脱却して、もっと経済力に見合った役割を果たすための理想的な機会を提供するだろう。

一例として、日本とアメリカが北に対してさらに強硬な路線をとることが確実になるだろう。そして韓国と中国は経済文化交流を追求する宥和的な政策を見直すことを余儀なくされるだろうとアナリストは言う。またこうも言う。実験がアジア三国すべてが同じ脅威に直面する危機を作り出したため、日本が韓国中国との緊張関係を修復するチャンスにもなるだろう。

この危機によって安倍はアジア三国はみな同じ敵と対していると言えるようになる。」曽根慶応大学教授は言う。「これは彼がアジアとの関係を改善するチャンスだ。」


前回で取り上げた ニュース分析:中国の反応は北朝鮮との亀裂を示す で David Lague 記者はアナリストの言葉を借りるかたちでこう書いています

「日本で核武装の是非が検討されるようになるだろうとキャンベラのベーム〔アラン・ベーム・前オーストラリア防衛省高官・現安全保障アナリスト〕は言った。
「それはもはや右翼ナショナリストのためだけの問題ではない。」

そして今回の記事で Martin Fackler はこう書いています。

北が行ったと称する実験は、日本が核武装すべきだという声を強めはするが、それは極右勢力に限定されるだろうとアナリストは言う。

同じ新聞の別の記事で正反対のことを書いているのが面白いところです。

David Lague 記者は中国担当で、中国人やオーストラリア人にだけ取材して日本人には話を聞いていないようです。それで中国人の見方を反映した記事になるんですね。しかし日本の国内事情に触れる場合は、やはり日本人の意見も聞くべきでしょう。

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テーマ:国家防衛 - ジャンル:政治・経済

  1. 2006/10/13(金) 14:09:19|
  2. 日本外交
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日本の核武装を懸念するアメリカ

北朝鮮の核実験が世間の耳目を集めていますが、それはアメリカでも同じで、どの新聞も大きく取り上げています。日本との関連で注目すべきは、その多くが申し合わせたように同じ懸念を表明していることです。つまり北朝鮮の核保有に脅威を感じた日本韓国など近隣諸国が核開発競争をするのではないかということです。北朝鮮の核そのものよりもむしろその波及効果のほうが心配だとさえ見受けられます。

ニューヨークタイムズはそれを悪夢だと表現したし、ワシントンタイムズも同じ懸念を表明していました。

ここではクリスチャン・サイエンス・モニターから。

※「核実験」という言葉の前後に「外見上の」(apparent)や「‥と称する」(clamed‥)などの言葉がついていますが、これはまだそれが核実験とは断定できていないためです。どの記事も決してそのまま「核実験」とは書いていないことに注目してください。 apparent や clamed をつけないときは、単に「実験」としています。いやあ、用心深いですね。


北朝鮮の外見上の核実験は、人類が知る最も強力な武器を抑制しようとする世界の長い努力に破壊的な影響を及ぼしうる。

専門家は長い間、北朝鮮政権が核兵器を誇示すればアジアは冷戦初期のような軍拡競争に引き込まれると心配してきた。悪循環はこのようになる:脅威を受けた日本と韓国は自国の兵器計画を開始する。中国は地域超大国としての地位を守るために爆弾を積み上げる。インドは中国に追いつこうと奮闘し、パキスタンはインドに対抗しようとする、そして....

しかしこの悪夢は不可避だというわけではないと専門家は指摘する。
すべてはアメリカなど関係国政府が核不拡散体制を修復するために何をするかにかかっている。それは欠陥はあるものの、何十年もの間世界のためによく機能してきた。
(後略)


インターナショナル・ヘラルド・トリビューンにこれに関連した二つの記事がありました。

そのうちのひとつ、ニュース分析:中国の反応は北朝鮮との亀裂を示す から関係する部分を抜き出します。


もし日本が北朝鮮への対抗として核兵器開発の誘惑に駆られれば、北朝鮮の実験はアジアの安全保障環境に広範囲な影響を及ぼしうるとアナリストは警告する。

(中略)

北朝鮮の実験のもっとも危険な帰結は、すでに相当な規模である日本の軍事力をさらに増強させる理由を提供することだと考える中国の安全保障アナリストもいる。

日本政府は、その軍隊が外からの攻撃に対応することと海外派兵を容易にするために、平和主義憲法を改定すべく動いてきた。

日本はまた、その軍隊が他国のそれと同じように運営できるよう、防衛の官僚機構を簡素化し、兵力を増強してきた。このような動向は、軍事的に強大な日本が隣国に再び脅威を与える可能性を危惧する中国から歓迎されていない。

日本は軍事大国になるためにその巨大な経済、最先端の製造業、高度な技術基盤を活用できると中国軍の高官は認めている。

これは中国をアジアの支配的な強国にしようとする中国政府の計画に深刻な課題を突きつける。

中国の解説者は、日本は北朝鮮の実験に強く反対したと発言している。

日本は、これを交戦権を回復し、軍を近代化するために憲法を改定する口実として利用できると閻〔閻学通・清華大学国際問題研究所所長・教授〕は言う。

それに、国際社会が北朝鮮に核計画を断念させることに失敗すれば、日本は核開発を考慮するだろうと考える専門家もいる。

その結果、日本で核武装の是非が検討されるようになるだろうとキャンベラのベーム〔アラン・ベーム・前オーストラリア防衛省高官・現安全保障アナリスト〕は言った。

「それはもはや右翼ナショナリストのためだけの問題ではない。」

北アジアにおける核武装競争の危険は、国際社会の武器制限の取り組みへの主要な脅威だ。

これは、日本はアメリカ政府が日本を安心させようと努めるだろうことを意味すると多くの専門家は考えている。


自国が核兵器を保有し、実戦で使用したことのある唯一の国であることを棚に上げて核不拡散を叫ぶ偽善者ぶりは、侵略によって成り立つ自国の歴史を忘れて日本に歴史を直視しろと説教するさまと共通するものがありますが、それは今は言わないことにしましょう。

クリスチャン・サイエンス・モニターさん、寝言を言ってはいけません。日本が核兵器を持たなくても中国はすでに核爆弾を積み上げています。

日本の核武装を心配することが杞憂であることは、もうひとつのインターナショナル・ヘラルド・トリビューンの記事が説明しています。

アメリカはむしろこちらのほうを心配するべきなのではないかと思います。


大紀元
米議会、核攻撃発言の撤回と朱成虎少將の免職を求める
--- 専門家:核攻撃発言は中国政府の計画---


中共中央軍事委員会が直接指導する、軍国防大学外訓系主任・朱成虎少将は、14日、香港駐在の国際メディアに対し、米国が台湾海峡での武力紛争に介入した場合、中国側が核兵器の使用を辞さないと発言した。朱少将は「弱い勢力は、最大の努力で強い勢力の相手を打ち破るべきである」との持論を展開した上で、「従来型の戦争なら、我々は米国に勝つことができない」とも話した。「これはあくまでも個人の見解」とした上で、いったん米国が台湾海峡での武力紛争に介入した場合、「我々は、西安より東の都市が全部壊滅することを惜しまない。その代わり、米国も数百の都市が犠牲になる覚悟をしなければならない」と、中国の強硬姿勢を示唆した。


朱成虎は後に処分を受けましたが、軽いものでした。
中国解放軍、核攻撃発言の朱成虎少将を処分


話は変わります。

小平が四川出身の客家であることは有名ですが、客家の居住地は広東省の梅県あたりが中心で、四川に移住したのは比較的新しいのです。では小平の先祖はなぜ四川に移り住んだのか、それは明末清初の時期に四川がほとんど無人地帯になったためだと言われています。

中国語版ウィキペディア「張献忠」から。


順治三年(1646)張献忠が成都を退出するとき、絶望のあまり、四川で空前の焼殺破壊を行った。40万の人口があった成都にわずか20戸の居民しか残らなかった。天府の国四川は壊滅的な破壊を被り、人口は少なくとも300万から一度はわずか8万人にまで激減した。


張献忠については日本語版ウィキペディアから。


明代末期の反乱軍の指導者。

陝西延安衛の出身。崇禎3年(1630年)に王嘉胤が反乱を起こすと、これに呼応した。一時は官軍に降ったものの、間もなく高迎祥の下に投じて、山西、河南を転戦した。後に李自成との反目から高迎祥の敗死を招くも、湖南、江西から四川に侵入して独立勢力を形成し、崇禎17年(1644年)には成都府に拠って大西皇帝を称した。

明滅亡後は、清軍の圧迫を受け、粛親王豪格の軍勢と交戦中に射殺された。

張献忠は嗜虐癖が異常に強く、残酷な殺戮を好んだ。


400年も前のことだから今の中国とは関係がないと言うなかれ。中国政府には現代の張献忠がいます。

中国前国防相・遅浩田上将の発言です。


ネットにリークされた、中共軍部の危険思想
―政権死守のためには核戦争も辞さない―

「どのような事態になっても、我々、中国共産党は、決して歴史の舞台から引き下がらない!我々は、歴史の舞台から退くよりも、あえて世界中の人民を道ずれに自決する道を選ぶ。“核の束縛”という論理があるではないか?つまり、核があるから、世界の安全は保たれており、死ぬときは皆一緒、という論理である。私の考えでは、党の運命は世界の運命と共にある、という束縛があると思う。もし我々、中共がなくなれば、中国がなくなり、そして世界も終わる、ということである。」


張献忠の時代と違って、今の中国は世界を破滅させるだけの武器を持っているから怖いのです。



中国政府の北朝鮮の核に対する危機感が薄いことは新聞記事からうかがわれます。彼らにとっては北朝鮮が核を保有することよりも、金正日政権が崩壊することのほうが悪夢なのです。だから政権を崩壊に導くような制裁には頑として反対し続けるし、北朝鮮に対する援助はやめられません。

しかし彼らは気づいていないのでしょうか。金正日も張献忠=遅浩田的心性の持ち主だということを。金正日だか他の政府高官だかは忘れましたが、遅浩田とほとんど同じ発言をしているのをどこかで読んだことがあります。

今、金正日は中国を恨んでいるでしょう。体制が崩壊するとすれば中国のせいだと思いつめるかもしれません。ですから、「その時」には中国が核による攻撃を受ける可能性があるのです。日本よりも距離が近い分だけその危険性は高いと言えるかもしれません。

そして、その日は刻々と近づいているように思われます。国連決議による本格的な制裁がなされれば決定的ですが、それがなくとも、日米等による金融制裁がすでに相当に効いているでしょう。核実験はその苦境を打開しようとする捨て身の賭けだったと思われます。

「北朝鮮の実験のもっとも危険な帰結は、すでに相当な規模である日本の軍事力をさらに増強させる理由を提供することだ」などとのんきに構えている場合ではないのですよ。

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テーマ:特定アジア - ジャンル:政治・経済

  1. 2006/10/12(木) 10:18:35|
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