日本の評判

世界は日本をどう見ているか。 英語と中国語のメディアから日本に関する記事をとりあげ、考えます。

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本当の障害だったのは‥

前回の 中国と日本・変化したのは‥ の補足と若干の訂正をします。

まずは10月8日の人民日報の記事から。


安倍訪華は中日指導者の情勢に応じた決断
(前略)
安倍が首相になる前後の発言、姿勢の変化は極めて大きい。首相になる前、安倍は靖国神社参拝問題で積極的に小泉を支持していた。首相になった後、安倍はもうこの問題で公然と叫ぶことはせず、この問題で明確な態度をとるつもりはないと何度も表明し、この問題が政治外交問題にならないように希望した。

過去には“村山談話”と慰安婦問題での河野洋平談話の精神を継承するとはっきり表明した。安倍の思想に変化があったのではない。“地位につけばそれに応じた政治をする”小泉と違って“心の問題”を国家の利益の上に置いたりしないのだ。
(後略)


読み比べてみるとわかりますが、中国と日本・変化したのは‥で引用した9月28日の人民日報の記事(以後Aとします)からは180度の転換です。しかも、この10月8日の記事(Bとします)では、中国側が方針を変えたことを隠し、日本側が変わったことにしようとしています。

要点は二つ。

靖国神社を参拝したかしなかったか、これからするかしないかを安倍さんが明らかにしないことについて、A では
「このような重大事に“あいまい戦術”をとっていたのでは、両国関係における政治的障害を取り除き、問題を適切に解決することができないのは当然だ。」
と口を極めて非難していたのに、Bでは一転して評価の対象になっています。「安倍はもうこの問題で公然と叫ぶことはせず、この問題で明確な態度をとるつもりはないと何度も表明し」という言外には、参拝を公約して首相になり、実際に参拝した小泉前首相との対比があります。すでに政権を去った小泉さん一人を悪役にして、現政権とは良好な関係を築いていこうという意図が読み取れます。

安倍さんの靖国神社参拝への姿勢は首相になる前後で何も変わっていないのに、彼がが変わったということを印象付けるために、この記事は事実の歪曲までしています。

二つ目。
安倍首相が村山談話と河野談話を継承すると表明したことに関してですが、これは安倍さんの首相になる前の言動と変わったように見えるだけで、日本政府としての立場は何も変わっていません。

「2005年の終戦記念日には自由民主党の小泉純一郎首相が村山首相談話を踏襲し、小泉首相談話を発表して再びアジア諸国に謝罪した。」(ウィキペディア

このように見てくると、中国政府が小泉さんとの首脳会談を拒否して安倍さんと会談することを説明できる合理的な理由などどこにもありません。

それを説明するとすればこういうことでしょう。
つまり、中国側はかねてから日本との関係修復を模索していたが、振り上げたこぶしを理由もなく下ろすわけにいかず、きっかけをつかめないでいた。日本の首相交代はそのためのよい機会になりった。とくに、安倍さんが村山談話を継承すると表明したことは渡りに船だった。安倍さんの以前の立場と変わったように見えることを大々的に宣伝して、“小泉談話”はこの際無視する。

中国政府のこの姿勢の背景にあるのが前回も書いたように、胡錦濤の権力基盤の確立なのでしょう。

胡錦濤政権は安倍さんの“あいまい戦術”を評価したことにして、実際に参拝するかしないかは問わないことにしました。

前回は、もし安倍さんが来年参拝したら中国で騒動が起きるだろうと書きました。訂正します。政権がそれを非難しないと決めたとすれば、もう中国で首相の参拝が大きな問題になることはないでしょう。もともと靖国問題とは中国政府が煽っていた側面が強かったからです。一部のブロガーなどが騒ごうとするかもしれませんが、政府はサイト閉鎖なり閲覧停止なりで押さえにかかるでしょう。政府がその気になれば簡単です。

中国は、関係改善の障害は靖国神社参拝をやめない日本の首相にあると主張していましたが、本当の障害は参拝非難をやめない中国側にあったことを自らの態度変化で証明してくれました。

中国の利益になるよう行動するニューヨークタイムズ で取り上げたように、NYタイムズは中国の独裁者の尻馬に乗って、安倍さんが靖国神社参拝をやめると宣言しなければ対中関係改善は出来ないと書きましたが、当の中国政府が主張を取り下げてしまいました。梯子をはずされた格好のNYタイムズ、さあ、どうするかな? 

どうもしないでしょう。また別の日本非難の種を見つけるだけです。


意図的かどうかはわかりませんが、次の記事も結果的に中国側の意図に沿う形の事実誤認をしています。


安倍外交の行方を透視する

(前略)
このようなあいまいな態度は矛盾を回避しているが、彼は日本の指導者が靖国神社を参拝することの重要性に対して一定の認識がある。戦後生まれの保守政治家の代表として、以前は日本の指導者の参拝を一貫して支持し、東京裁判の正当性を否定し、国内法を持ってA級戦犯の存在を否定してきたからだ。
(後略)

「以前は」ではなく、首相としての国会答弁でも、(A級戦犯は)「国内法的に犯罪者ではないということははっきりしているわけであります。」と答えています。(依存症の独り言 より)

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テーマ:中国問題 - ジャンル:政治・経済

  1. 2006/10/17(火) 07:04:30|
  2. 中国
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<日本の核武装?心配するな | ホーム | 中国と日本・変化したのは‥>>

コメント

日本語のあいまいさと中国の広報

日本語の英訳は遅いし難しいから負けちゃうんでしょうかね。中国は広報をあちらこちらに送り込んでいますし、韓国もそう。。従軍慰安婦でもあらぬ妄想で不名誉を押し付けられそうですし、もう少し、日本も広報をしっかりやってもらいたいです。
  1. 2006/10/17(火) 22:57:05 |
  2. URL |
  3. SAKAKI #-
  4. [ 編集]

日本も

まあ、日本もこの間の北野公使とか少しはやっているんですけどね。
日本語と朝鮮語のわかるオーストラリア人がやっている「オクシデンタリズム」というブログがありますが、そこで韓国人の被害妄想ぶりを暴いてきたおかげで、だいぶ状況が改善されてきたそうです。日本語のメッセージがあるのでご覧ください。
http://www.occidentalism.org/?p=382
  1. 2006/10/19(木) 01:17:31 |
  2. URL |
  3. にっぴょ #-
  4. [ 編集]

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