中国と一部の朝鮮人は安倍新首相の下でのナショナリズムの復活と日本の平和主義憲法の改訂を憂慮している。しかし他のほとんどのアジア諸国は、日本が1945年以後の抑制から脱却して地域と世界により積極的な役割を果たす意志を安倍が示していることを歓迎するだろう。
核武装した中国が強大になり、財源の制約と中東の泥沼によってアメリカのヘゲモニーが徐々に崩れ始めている中で、日本は東北アジアによりよい均衡をもたらすことができる。
中国に関するこれだけの誇大宣伝の中でも、日本の経済が依然としてより大きいことを安倍の就任は思い出させてくれるだろう。十年間の国内経済への没頭のあと、日本は今その経済をうまく利用する立場にある。
就任演説で安倍が愛国心とアジア近隣諸国との関係という二つのことを強調したのは一見矛盾しているように見える。アジア人は国粋主義的で外を向いた日本を恐れているのではないか? 日本は帝国主義の乱行に対して不十分な償いしかしていないのではないか? 前首相は靖国神社に追悼されている戦犯を崇めると公約し実際にそうしたのではないか? 日本の教科書はその残虐行為を隠蔽したのではないか?
しかし、歴史を語るなら、中国のプロパガンダと、西洋が帝国主義の過去を忘れたいという意志に用心しなければならない。インドネシアのスカルノ、スハルト、ビルマのアウンサン、韓国の朴正熙のように、アジアの多くの国家的英雄は帝国日本とともに行動した。
靖国の“A級”戦犯に関しては、A級という言葉は罪の大きさではなく、主に政界の要人に向けられた幅の広い言葉である“人道に対する罪”を表している。実際の“戦争犯罪”と“人道に対する罪”(南京虐殺のような)は別の範疇だった。
戦後の東京裁判で、非交戦国であるインドのラノハビノッド・パル判事は日本は無罪だと異議を唱えた。(オランダの判事もほとんどのA級の有罪判決に反対票を投じた。)
とはいえ、安倍は靖国に行かないほうが賢明だ。参拝は、中国によって、他の議題についての対話を拒否し、国内での大衆の国粋主義的感情を噴出させるような大きな問題にされてしまった。同様に、最近の世論調査によれば、過去4年間一般の日本人の対中感情は顕著な悪化を見た。
このような政治的緊張は両国の経済のためにならない。日本の国内需要は依然として弱く、中国の需要は日本経済の復活にとってきわめて重要だ。しかし同様に、日本韓国台湾による投資が中国の輸出成長の鍵であることは変わらない。中国を組み立て基地として利用して世界市場でのシェアを伸ばし続ける東アジア企業に中国は大きく依存している。
日本が必要としている外交政策はより国粋主義的なものではなく、より積極的なものだ。言うは易し、行いは難し。奴隷のようにワシントンに追随しているのではないと見られたいという欲求は、中国の興隆に直面してアメリカとの戦略的パートナーシップを維持しなければならないという最優先の課題とは両立させにくい。そして、北朝鮮に如何に対処するかという点で韓国と、資源と東北アジアの均衡という点でロシアと共通の利益を持つが、歴史の重荷という障害がある。
しかし、日本には人が考えるよりも多くの強みがある。アジアの国々は先を争って中国との関係を発展させているが、、それでも日本の在来型戦力の伸長に静かな満足があるだろうし、中国が資源と不動産を買い占めるよりも、日本が自国の工場に投資することを好むだろう。どこの中央銀行も中国元がアジアの主要通貨としての円に代わって国際通貨になるとは信じていない。そして、韓国政府でさえ、日本よりも(韓国を自国領と主張している)中国と将来歴史に関して問題を抱えそうだと認識し始めている。
要するに、安倍にとってアジアに豊富に存在する日本に対する好意を利用する機会はふんだんにある。しかし、それには外向きで寛大に見える戦略が必要だ。そして日本の伝統的右翼にありがちな、歴史を逆戻りさせるような自己憐憫的な態度と、日本は特別だという意識を避けなければならない。
日本はアメリカと中国にノーと言える。しかし、もっと大きな声でアジアにイエスと言わなければならない。

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