日本の評判

世界は日本をどう見ているか。 英語と中国語のメディアから日本に関する記事をとりあげ、考えます。

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地図における台湾表記の問題

学研が台湾を台湾島と表記した地球儀を販売していたことが問題になっています。当ブログの守備範囲からは若干ずれますが、今回はこれについて意見を述べてみようと思います。

末尾(続きを読む)に産経グループ「イザ」の全文を貼っておきます。

これは、台湾のこととなると、現実を受け入れることを拒否して自己の妄想を外国にまで押し付けて恥じない中共政府に第一の問題があることです。学研に非があるとすれば、地球儀などという主権国の領土と国境線という敏感な政治問題が絡んでくるものを、中国のような頑迷な言論弾圧独裁国家で製造したことでしょうか。当局の意に染まないものを出荷しようとすれば横槍が入るのは十分予想できたはずですから。

意外に感じたのは、学研が「中華人民共和国政府の指示により」云々のメモを添付したことです。私は学研という会社とは縁もゆかりもないもので、とくに肩を持つつもりもありませんが、これは日本の出版社にしては良心的な部類に入るのではないかと思いました。

と言うのも、日本で発行されている地図では、台湾は中国の一部として扱われるのが普通だからです。

日本の出版社の地図(クリックで拡大)


これが日本の出版社が日本で印刷し販売している地図の代表的なものです。

中国と台湾が同じ色で塗られ、台北には北京平壌ソウル東京にあるような首都であることを示す下線が引かれておらず、日韓・日台・台湾フィリピンの間には引かれている国境線が中台間にはありません。

これでは、どこからどう見ても台湾は中国の一部です。しかも何の但し書きもありません。

なんども繰り返しますが、これが日本で発行されている地図の基本的な形式です。高校で使う帝国書院の地図帳のほか、昭文社、平凡社などみなそうです。台湾を独立国として扱っている地図帳など見たことがありません。

上に掲げた地図をもう一度見てください。「台湾」の文字が明朝体になっていますね。ほかの、「(中華人)民共和国」や、「日本」などの国名に使われている字体とは明らかに異なります。そして同じ明朝体で記されているのは「長江」、「東シナ海」、「日本(列島)」(「列島」の部分がはみ出ていますが)などの自然地形の呼称なのです。ですから、この「台湾」は台湾という島を意味していると解釈できます。

こうしてみると、学研が台湾を「台湾島」と表記しても日本では問題にならないと判断したのも無理からぬことなのではないでしょうか。中国領土であれ、独立国家であれ、 台湾が島であることに変わりはないのですし。

ですから、文科省や外務省が「前代未聞と驚いた」ということのほうがよほど驚きです。

伊原吉之助・帝塚山大名誉教授は「世界地図の表記はその国の利益に直結しており、他国の主張にやすやすと屈服し、自国で販売するというのは主権侵害への加担であり、一企業の商行為でも不誠実のそしりは免れない。」と話したそうですが、それを言うなら、日本の地図出版社はすべて中共に屈服しています。

これはもともとは、日本政府が中共の主張する「台湾を含むひとつの中国」と言う虚構を「理解し尊重する」としている日本政府に問題があることです。

台湾が現実に国家としての要件を備えているにもかかわらず、そして日台が経済・文化・人的交流など多方面で密接な関係を有するにもかかわらず、日本政府は台湾を国家承認していません。

台北駐日経済文化代表処のサイトから引用します。

中国が国際政治を操作し、国際社会において「一つの中国」の原則のコンセンサスを獲得すると共に、台湾を圧迫する粗暴な制圧手段こそが、地域情勢に緊張をもたらし、両岸関係の調和を破壊する主な原因・・・・

日本政府が中共による操作をやすやすと受け入れ、何の圧力があるのか知りませんが、出版業界の大勢も政府の方針に唯々諾々と従っているのが現状なのです。ことは学研一社だけの問題ではありません。

もう一箇所、同サイトの 駐日代表機関の紹介 から。

台北駐日経済文化代表処は、中華民国(台湾)の日本における 外交の窓口機関です。民間の機構ではありますが、実質的には大使館や領事館の役割を果たしています。

実質的な駐日台湾大使館が「台北駐日経済文化代表処」などという偽りの名称を使わざるを得ないところに現状の不合理が現れています。これは台湾側にとってははなはだ不本意なことなのでしょう、taiwanembassy.org というURLで一矢を報いています。(本当はtaiwanembassy.gov としたかったところでしょうが)

そしてこれは日本一国だけのことではありません。同サイトが書いているように、中国が国際政治を操作した結果、台湾はいまだに国連にも加盟できません。台湾を国家承認している国も小国ばかり二十数カ国しかないのです。


先に引用したのは、「陳明通・大陸委員会主任委員:米国は台湾の国民の主体意識を尊重すべき」という記事の中の一節ですが、その冒頭にこうあります。

米国のライス国務長官が<2007年>12月21日、台湾が行おうとしている台湾名義での国連加盟の是非を問う国民投票に反対であり、これは台湾による挑発的行為であると表明したことについて、陸委会<大陸委員会>は12月22日、強い遺憾の意を示すと共に、国連加盟についての国民投票は台湾の国民の総合的な意志の展開であると再度厳粛に表明するものである。

民主主義の伝道者を自任するアメリカともあろうものが、民主的手続きにのっとって台湾人の民意を問おうとする国民投票について反対を表明するとはいったいどういうことでしょうか。台湾の国連加盟にどうしても反対なら、これもおかしな話ですが、国連決議の場で反対票を投じればいいだけの事です。中米両国は安保理で拒否権を持っているのですし、世界的に圧倒的な政治力を持つアメリカが反対すれば、台湾の国連加盟など容易に阻止できることです。

中共の顔色を伺って台湾の内政に干渉するとは、ライスさんはいったい何を恐れているのかと言いたくなります。

また中共のほうでも、日ごろ台湾独立を支持するような発言には内政干渉だと騒ぎ立てるくせに、このような明白な台湾の内政に対する干渉にはご満悦の様子なのもおかしなことです。


見てきたように、日本で出版されている地図はほとんどすべてが台湾を中国の一部として扱っているわけですが、欧米では事情がかなり異なります。


ザタイムズの地図これはイギリスの The Times が出している地図です。

台湾と中国が違う色で塗り分けられ、台北は首都であることを示す黄色の正方形で示されています。




メリアムウェブスターの地図アメリカの Merriam-Webster の地図です。

(上の2枚が地図帳をデジカメでとったもので、これはネットから取り込んだものです。)


このほかにも、イギリスの PHILIP'S 、ドイツで印刷されている GEO CENTER の地図も同様の表記です。欧米の地図では台湾をひとつの独立した国家として扱うのが一般的なようです。

日本の出版社はどうして中共の干渉にこうもやすやすと屈服し、実態に合わない表記をして恥じないのでしょうか。学研の場合はまだ製造元が中国だったということで同情の余地があるわけですが、ほかの出版社の場合は、日本で印刷して日本で販売しているのですから、どこにも気兼がいらないはずなんです。日本政府の公式的立場と相容れないとは言え、中国とは違い、日本では言論出版の自由が保障されているのに。


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イザより

学研地球儀、中国圧力に屈す…台湾を「台湾島」
01/09 19:29更新


 学習教材大手「学研」(東京)グループが国内向けに販売する音声ガイド付きの地球儀が、中国政府から圧力を受けて、台湾を単なる「台湾島」と表記していることが9日、わかった。同社は「中国の工場で生産しているため、中国政府の指示に従わざるを得なかった」と釈明するが、文部科学省や外務省は「市販の学習教材とはいえ、前代未聞」と驚きを隠さない。識者からは「国益を損ないかねない」と憂慮の声も上がっている。

 この地球儀は、学研の関連会社「学研トイズ」(東京)が昨秋発売した「スマートグローブ」。地球儀には各国の地理や文化などの情報を音声で案内するシステムが組み込まれ、情報はネットで更新される。年齢に応じた情報選択や地理クイズなどの機能も備える。希望小売価格は2万8000円と決して安くないが、家族で楽しみながら学べる教材として人気を集めている。

 本体は何の変哲もない地球儀だが、台湾(中華民国)について、「台湾島」と記載している。また、樺太の南半分や千島列島をロシア領として色分けしている。これらはサンフランシスコ講和条約(1951年)で日本が領有権を放棄した後、帰属先が未定となっているため、日本の地理の教科書では、日露のいずれにも属さない白い表記になっている。

 台湾島という呼び名や千島などのロシア領表示は、いずれも中国発行の地図で一般的に使われる表記で、この地球儀はいわば「中国仕様」だ。

 台湾について、日本の外務省のホームページは、国交のない北朝鮮や、香港などと同様に「地域」と位置づけているが、この地球儀には地域としての注釈もなく、日本と互いに年間100万人以上が往来する「台北」の都市情報も音声案内から除外されている。

 日本の市場で販売される地球儀が、なぜ「中国仕様」になったのか。その経緯を、学研トイズは「もともと香港のメーカーが開発し、日本語版の製造、販売権を当社が取得した。当初は日本の学校教科書同様の表記をするつもりだったが、工場が中国にあり、中国政府から表記を変更しないと日本への輸出を認めないと迫られた。すでに玩具ショーなどで注文が殺到していたので、仕方なく中国政府の指示に従った」と説明した。

 購入者からの問い合わせや苦情を見越し、同社は応急措置として、説明書にメモを添付。メモには「生産国の中華人民共和国政府の指示により、地球儀表面の『台湾』の表記が『台湾島』音声が『中華人民共和国』となっておりますことをあらかじめお断りさせていただきます」などと記している。

 初回製造の1万個は完売。次回の入荷分にすでに7000個の予約が入っているが、外箱には表示に関する断り書きなどがないため、購入者からは「事前説明なしに売るなら食品偽装と同じ」といった苦情があったという。

 文科省や外務省は「教科書や正規の学校教材でない以上、官庁の検定の範囲外だが、非常に珍しいケース。一般購入者が『見慣れない地図』という違和感があっても不思議ではない」という。

 東アジア情勢に詳しい伊原吉之助・帝塚山大名誉教授は「世界地図の表記はその国の利益に直結しており、他国の主張にやすやすと屈服し、自国で販売するというのは主権侵害への加担であり、一企業の商行為でも不誠実のそしりは免れない。それが学習教材大手というからなおさらだ」と話した。

 台湾(中華民国)は日本と歴史、経済、文化的に緊密な関係にあるため、1972年の日中共同声明以降も、「台湾は不可分の領土の一部」と主張する中国に対し、日本政府は「立場を十分理解し、尊重する」と表現するにとどめている。

 昨年末の福田康夫首相の訪中時も、共同記者会見で温家宝中国首相が福田首相の発言を紹介した際、通訳が「福田首相は台湾の独立に反対を表明した」と誤訳し、福田首相が慌てて「支持しない」という表現に修正する一幕もあった。

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テーマ:考えさせるニュース - ジャンル:ニュース

  1. 2008/01/15(火) 02:40:10|
  2. 台湾
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

地図でみる

思わず手元の地図帳(帝国書院版/新詳高等地図・昭和47年4月10日文部省検定済)を確認しました。確かに、台湾は海南島と同じ扱いでシッカリ明朝体表記になっています。ちなみに香港はゴシック活字で国家扱いになっています。

「地図でみる 中国共産党の浸透度合い」なんてタイトルで本が書けそうですね・・・・イヤ~恐ろしか。
  1. 2008/01/15(火) 20:29:38 |
  2. URL |
  3. 宿屋飯盛 #-
  4. [ 編集]

昭和47年ですか、物持ちがいいですね。そのころに発行された地図なんでしょうか。
田中首相の訪中と台湾中華民国との断交が47年9月ですから、そのころはまだ日本は中華民国と国交を持っていたんですね。蒋介石がまだ生きていたころですから、中華民国は、大陸中国はもちろん、モンゴルなども含む領土まで主張していました。こちらを参照↓
http://zh.wikipedia.org/wiki/Image:Zhonghua_Minguo_Quhua_Fanti.png

でも日本で作られた地図は、それには付き合わずに、大陸のほうは中華人民共和国、台湾は中華民国となっていたんじゃないかなと思いますが、どうでしょう。
  1. 2008/01/16(水) 03:21:06 |
  2. URL |
  3. にっぴょ #-
  4. [ 編集]

いやはや、何とも

↑ にっぴょ様

今一度、S47年版/帝国書院の高校用『新詳 高等地図』をみています。

支那大陸は「中華人民共和国」となっています、台湾は「台湾」と表記で「中華民国」表記はありません。

さて、この地図帳の奥付をよくみたら「昭和47年4月10日 文部省検定済」とあり、その数行あとに「昭和49年3月15日印刷 昭和49年3月25日発行」と記されています。

3月発行で、9月が日中国交正常化、わずか半年違いで地図帳と云うか教科書の記述がガラリと変わる特亜のナニですな・・・・。いやはや、何とも。
  1. 2008/01/16(水) 04:01:20 |
  2. URL |
  3. 宿屋飯盛 #-
  4. [ 編集]

私の間違え タイムラグ

↑ 失礼間違えました。

>>3月発行で、9月が日中国交正常化、わずか半年違いで・・・・

49年9月(日中国交回復)、私の地図帳表記は47 年版でした。

ここに2年半のタイムラグがあります。

  1. 2008/01/16(水) 04:09:42 |
  2. URL |
  3. 宿屋飯盛 #-
  4. [ 編集]

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