日本の評判

世界は日本をどう見ているか。 英語と中国語のメディアから日本に関する記事をとりあげ、考えます。

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張先生の回答

前回の ある中国人の心配 の引用部分の最後、大事なところで訳し漏れがあったので修正しました。

【 】内が付け加えた部分です。

中国が対外拡張に乗り出すことはないのか? … 【 もしあれば、それは自滅を意味します。】それが私の心配です。

それでは張先生の回答を。


ご自分の考え方の移り変わりを非常にはっきりと描写していただいたことに感謝します。あなたの心理の過程は八九十年代生まれの心理状況を代表しています。

若者を如何に正しく導くか、全般的な戦略と高度な国家利益の観点から、彼らに自己の責任と使命を如何に認識させるか、これは私が非常に関心を持っている問題です。反日、日貨排斥、ネットでの日本罵倒など、激烈な行為はみな意味のない極端な行動です。

それでは正しい行為は如何にあるべきか?如何に導き教育するか? 三つのことをきちんとやらなければなりません:

ひとつ目。
中日両国は関係密接な隣国であり、矛盾があり、衝突があり、友情もあります。いつも矛盾や衝突を煽ってばかりではいけません。長期的な計画、高度な戦略から問題を考え、矛盾と衝突を解きほぐし、友好的な交流を促進させなければなりません。特に中日両国の青年世代の交流は重要です。

ふたつ目は歴史問題。
一方では、日本は中国人民の感情を考慮し、正しく対応しなければなりません。ドイツが誠心誠意罪を認めたように、あのような歴史に別れを告げてこそ、光り輝く未来を創造する事ができるのです。
また一方では、歴史問題は過去の問題であり、現在と未来において我々はさらに多くの現実の問題に直面しています。もっと大きな度量で歴史問題を正視し、関心を現実問題と未来の発展に集中させなければなりません。

三つ目は軍事安全保障問題。
アメリカは日本軍国主義の復活を恐れ、また中国に対抗するために、長期にわたって日本に軍を駐留させています。これは日本にとって一種の軍事的抑制です。
日本はこの点を見抜き、密かに自前の軍事力を発展させ、西太平洋に覇を唱えることを望んでいます。日本が軍事力を発展させる過程において、中国の勃興に遭遇しました。これは日本人にとって不愉快なことです!
中国は軍事力の発展途上にあり、自国の排他的経済水域と大陸棚を守るため、自国の作戦縦深を広げるために、第一列島線を越え、西太平洋に向かって少し軍事力を示す必要があります。
日本とアメリカはこれを非常に懸念し、常時これを包囲妨害し、第一列島線を圧迫しています。緊張は高まる一方です。双方のこのような軍事的対峙は戦争に発展するか?衝突と戦争はいかにすれば避けられるか?

私は、発展は抑えることのできないものであり、軍縮交渉や軍備制限条約を通して軍事力の発展を阻止することはできないと考えています。
そうである以上、活路は軍事交流にあります。軍事交流を通して誤解と誤判を減少させます。
中日間では、軍艦、高官の相互訪問等の軍事外交活動は非常に重要な友好交流活動です。

戦争は非常に複雑な行為であり、人民に巨大な死傷者をもたらします。
中日間には数多くの矛盾と衝突が存在していますが、まだ戦争にはいたっていません。
みなが問題を分析するときには、現実を見据えて正しい行動をとり、自己の考え方を客観的に述べるよう望みます。対日作戦を宣揚し、「中日必ずや一戦あり、武力を用いて日本を滅ぼすべし」というような激越な言論をなしてはなりません。

少数の日本右翼分子と平和を熱愛する日本人民をきちんと区別し、両国人民間の友誼を深め、正義の力量をもって邪悪に打ち勝ち、日本軍国主義の復活を防ぎ、戦争の勃発を抑止せねばなりません。


全般的に見れば、抑制の効いた真っ当な回答だと言えますかな。

日本はドイツを見習って歴史を反省せよといった従来の日本批判を踏襲してはいるものの、張先生はむしろ、歴史問題に拘泥しすぎることの弊害について触れ「両国人民の友誼を深める」ことの重要性を説くことに力点をおいているように見えます。

それに、私にとって驚きだったのは、従来の中国政府による反日教育を批判し、それに洗脳された世代が将来国を誤るのではないかと懸念する質問をもっともなこととしてとりあげ、それに対する解決策を示そうとしている点です。

中共政府の公式見解によれば、中国は侵略されることはあっても、他国を侵略するなどは金輪際ありえないことのはずです。ですから、そのような懸念を示すこと自体が反政府的であって、取締りの対象になってもおかしくないくらいなのです。それが、読者からの質問という形をとっているとはいえ、軍高官でもある国防大学の教授先生のブログで堂々と発表されているのです。

しかも、このブログの同じエントリーには他にいくつかの質疑応答が掲載されているにもかかわらず、この項目だけを取り上げて、「中日に戦争は勃発するか?」と題して「人民網」(人民日報のウェブサイト)にリンクが張られているのです。
ですから、これは張教授の単なる個人的な意見ではなく、党上層部の見解を反映していると言ってもいいでしょう。

このように、件の記事には政府批判の要素があることは確かなのですが、その批判されている政府とは江沢民時代の政府であって、胡錦濤のそれではないと言えるかもしれません。つまり、「四人組」が打倒されて以後、ある程度の文革批判が奨励されたことと相似形をなしていると。

ということは、中国は反日の政治利用から「中日友好」の方向へはっきりと舵をきったということになります。
もっとも、「中日友好」といっても、それは彼らが自己利益の実現を図るために利用するひとつの方途に過ぎないことは言うまでもありません。

およそすべての二国間関係において、「友好」である状態が望ましいことは当然ですが、実際の国内・外交上の政策が友好的であるか否かにかかわらず、これほど友好友好とお題目を唱え続ける国も珍しいでしょう。

それでは回答の内容について仔細に見ていくことにします。

質問者は、自分の周りの人々はみな狂っている、自分だけが冷静だ、と書いているのですが、それに対して、「あなたの心理の過程は八九十年代生まれの心理状況を代表しています。」と答えるのもおかしなものです。

それに、この質問の要点は、このように反日意識に凝り固まった若者たちが将来国の中心になったときに、中国が侵略的になることはないのかということなのに、張先生が提示しているのは、友好的な交流を促進させるなどという抽象論と、「現実を見据えて」云々の「べき論」だけで、具体的な解決策を示そうとはしません。そうして問題を、軍拡競争の果ての(偶発的)軍事衝突の可能性にすり替えています。

質問者が心配しているのは、中国国民に内在的に潜む性向によって中国が軍国主義化することなのです。(私から見れば今でも十分に軍国主義的ですが。)それは軍事交流などという小手先の方策で防ぎきれる性質のものではありません。

そうして張さんは、中国の急速な軍拡に対する日本人の懸念を「不愉快」」などと、まるで日本人が中国の発展を妬んでいるかのように言います。

しかし、他ならぬ張さんの次のような発言を見ても、日本人が懸念するのも当然ではないでしょうか。

「中国は軍事力の発展途上にあり、自国の排他的経済水域と大陸棚を守るため、自国の作戦縦深を広げるために、第一列島線を越え、西太平洋に向かって少し軍事力を示す必要があります。」

「第一列島線」についてはウィキペディアに説明があるので一部を引用します。


daiitirettousen.png第一列島線は、千島列島を起点に、北海道、本州、九州、沖縄、台湾(中華民国)、フィリピン、スラウェシ島、ジャワ島、スマトラ島にいたるラインを指す。中国海軍および中国空軍の作戦区域・対米国防ラインとされる。マスコミ発表ではこの第一列島線に日本列島の一部が含まれており、日本の一般国民には寝耳に水であったため、一時期問題となった。

中国海軍にとっては、台湾有事の際の作戦海域であり、同時に対米有事において、南シナ海・東シナ海・日本海に米空母・原潜が侵入するのを阻止せねばならない国防上の必要のため、有事において、このライン内においては、制海権を握ることを目標として、戦力整備を行っており、また作戦活動もそれに準じている。

中国側の対米国防・生存権の立場から見るならば、少ない守備海空軍力で優勢な米海・空軍相手に米空母・原潜の南シナ海・東シナ海・日本海侵入阻止をするには島嶼線を天然の防波堤として利用するのは「軍事的地形利用としては」当然であるが、中国人民解放軍が想定した島嶼線は(中国の同盟国でもない)日本・台湾・フィリピン・インドネシアの領土/領海である。中国人民解放軍を統帥する国家中央軍事委員会の副主席であり中国海軍を掌握する劉華清提督がそのような「内部国防方針」を打ち出した事は、その話を聞いたこれら島嶼各国を困惑させた。

また、この区域内には、南沙諸島問題、尖閣諸島問題や東シナ海ガス田問題など、領土問題が存在しているため、第一列島線に関連する戦力整備・軍事行動は関連諸国の警戒を呼び起こしている。

中国は区域内の海域を「海洋領土」と呼称しており、海洋事業は国家発展戦略であるとしている。その原則に従って、1980年代より、中国の海洋調査船により、第一列島線区域において、海底の地形や水温などの緻密な海洋調査が行われてきた。 このことの背景としては海底資源調査だけでなく、海底地形や海水温分布、海水密度分布などのデーターの蓄積が(機雷戦を含む)潜水艦戦を有利に進めるために必須なこととも 密接に結びついていると考えられている。

こうした流れの中で発生した2004年の漢級原子力潜水艦領海侵犯事件では、……

(中略)

……同海軍が今後日本に対する脅威に発展する可能性は十分にあるといえる。中国海軍は、2005年に「鄭和航海600年」を記念して、『500カイリ制海圏』構想を発表した。

中国の中学校歴史教科書には、かつて朝貢貿易を行っていた地域(シンガポールからインドシナ半島全域、タイ、ネパール、朝鮮半島、琉球など広大な地域)は、「清の範図でありながら列強に奪われた中国固有の領土である」と明記されており、中国では、これらの地域を本来の国境とは別の「戦略的辺疆」と呼んでいる。中国政府が東シナ海ガス田問題等の国際問題で発言する「争いのない中国近海」とは、「戦略的辺疆」の内側海域を指しており、中国固有の領土であるこの地域の安全保障・海洋権益は、中国の手により保全すべきというのが、中国の考えである。第一列島線とは、まさに「戦略的辺疆」のラインである。

中国海軍の建造状況から見て、第一列島線を2010年までに完成させるのは可能性のない事ではない。


本当に心配されるのは日本軍国主義の復活ではなくて、中華軍国主義の勃興であるようです。

張さんも、多少洗練されてはいますが、本質的には質問者の周りにいる糞青とあまり変わらないんじゃないかな。


次回は、同じ日の人民網にリンクされていたんですが、もっとわかりやすい糞青軍人のブログから行きます。


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テーマ:中国問題 - ジャンル:政治・経済

  1. 2007/07/08(日) 06:25:12|
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  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

管理人様のブログの一部を引用し、紹介させて頂きました。
有り難うございました。
今後ともご活躍を祈っております。
  1. 2007/07/14(土) 12:44:57 |
  2. URL |
  3. 無党派A #-
  4. [ 編集]

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