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ソニー対LG特許紛争にオランダ税関が…

欧州でPS3が輸入禁止に、LG電子のソニー特許侵害提訴で」というニュースがありました。

イギリスの新聞「ガーディアン」2月28日の記事です

ヨーロッパの税関当局はプレイステーション3の出荷を差し止める命令を出した。これはLGがソニーに対する仮差し押さえ命令を勝ち取ったためだ。アジアの二つの大企業は熾烈な特許戦争を繰り広げている。

ハーグの民事裁判所による決定によれば、イギリスとヨーロッパ向けに輸入されたすべてのPS3は、少なくとも10日間差し押さえられる。

もし差し止め命令が延長されれば、PS3は町の商店から消えることになる。普通、ソニーと全ヨーロッパの小売店で二三週間分の在庫があるとされる。

ガーディアンが得た情報によれば、ソニーがLGが持つブルーレイ技術を侵害したとされる係争において、先週オランダで数万台のPS3が差し押さえられた。

ソニーはPS3を一週間に10万台輸入しているが、禁止措置を撤回させようと必死になっている。ソニーにはEUの特許局に訴える権利がある。

一方LGは同じ特許局に10日間の輸入禁止措置の延長を申請できる。またはLGはゲーム機の破壊を命じる裁判所命令を申請することもできるが、裁判所が倉庫の品物を廃棄する要求を認めることはなさそうだ。

LGは、ソニーPS3がブルーレイディスクの再生に関する特許を侵害していると主張する。LGは今月始め、アメリカの国際貿易委員会にPS3のブルーレイ技術の使用に関して調査するよう訴え、PS3の「永久排除命令(アメリカへのPS3機の輸入を排除する)」を要求した。

もしソニーがLGの特許を侵害していると認められたら、ソニーは世界中でこれまでに販売されてきた一台一台のPS3についてLGに賠償しなければならなず、それは数億ポンドにもなる。

技術において巨大な存在である両社は、複雑に絡み合った7つの特許紛争を抱えており、ソニーもLGのアメリカへのスマートフォンの輸出を止めようとしている。

ロッテルダムとスキポールはイギリスとヨーロッパ大陸への主な輸入拠点でだ。事の成り行きがはっきりするまでPS3はオランダの倉庫に留め置かれる。

ソニープレイステーションのスポークスマンは「今調査中なのでこの時点でコメントすることはありません」と言う。LGはコメントを拒否したが、会社に近い筋によれば、今回の法的措置

ソニーは2007年3月の発売以来イギリスでPS3を300万台売った。ソニーが把握しているところによれば、ドイツに6500台、イギリスに1万台の在庫がある。

しかし、ヨーロッパでのPS3の販売の大部分は事前に注文を受けているもので、それはつまりイギリスにしろほかのヨーロッパにしろ、倉庫に収まる前にすでに売れていることを意味する。ガーディアンの理解によれば、もし禁止措置が解除されなければ在庫は二三週間以内に品切れになる。


ガーディアンはこの件に関して3月1日にも記事を書いていて、「ソニーはどうやってLGの裏をかいてプレイステーションをヨーロッパに出荷できるか」とソニーのことを心配してくれています。

その要約

ヨーロッパの特許行政はまだ国ごとに行われているので、オランダを迂回すれば他のヨーロッパ諸国ではPS3を売ることができる。オランダはヨーロッパの人口の3%を占めるに過ぎない。LGは他の国でも差し止め請求をしなければならない。

問題は、オランダのロッテルダム港とスキポール空港がイギリスを含むヨーロッパへのPS3の主要な輸入拠点だということだ。

(ガーディアンはそれを変えることもできると書いていますが、コメント欄のDevineAlaine という人によればそう簡単にはいかないようです。
それに関するDevineAlaine のコメントを青字で。

PS3は5キロを超える重さなので、中国の製造拠点からヨーロッパに輸送するのは船便が望ましい。航空輸送は高くつく。ソニーはオランダ以外の港を探さなければならない。そしてその港で毎週10万台のPS3を陸揚げし、荷を解き、再び梱包してヨーロッパ各地の配送センターに出荷しなければならない。その設備を備えたところはそれほど多くない。
LG側は各地にスパイを配置し、発見すれば数日以内に裁判所に訴える。
港を換えることはおおごとであり、しかもきわめて限られた期間しか使えない。
船は4~5週間前にすでに中国を出港している。それはソニー専用船ではなく、他の荷主の荷物も積んでいる混載コンテナ船なので、何があってもロッテルダムに入港しなければならない。条文により、単なる積み替えののための入港であっても、いったんオランダ領内に入った積荷は差し押さえられる可能性がある。それは向こう6週間50万台のPS3がとめられることを意味する。


記事本文に戻ります。

税関当局はふつう、裁判に何年もかかるような技術的法律的に複雑な権利侵害事案に対する決定ができるような能力を備えてはいない。規定によれば、税関が権利侵害の疑いがあるとみれば、独自の判断で行動できる。権利保有者(この場合はLG)は税関に書面で申請する。この場合、権利保有者は実際に権利侵害があるという証明をする必要はない。「製品が知的所有権を侵害している疑いがある」といえばそれで十分だ。

そう、権利侵害の「疑いがある」、必要な要件はそれだけだ。これは一方的すぎないだろうか。

しかし、競争相手を痛めつけようとする権利保有者は慎重にならなければならない。裁判所が権利侵害を認めなければ、権利保有者は損害について責任を負わなければならない。つまり、もしソニーが勝てば損害についてLGを訴えることができるということだ。
(このことについて、「LGは大きな賭けをしている」と書いている記事もあります。裁判に負ければ膨大な額の賠償金を払わなければなりませんから)

仮差押えという制度があるのはヨーロッパでもオランダだけだ。
ほかのヨーロッパ諸国では、権利を侵害しているとされる物品の販売を差し止めることができる。EU加盟国中最大のドイツでは、比較的迅速な手続きで仮差し止めが実現できるが、侵害者とされる側は差し止めの前に自己弁護の機会が与えられる。仮差し止めが認められても、そのあとの本訴訟で負ければ責任を負わなければならないリスクがある。

LGに手がかりを与えないようソニーは代替ルートを発表しないだろう。ソニーは販売需要を満たすため一週間に10万台を輸入しなければならない。これは流通上の難題だが、ソニーはヨーロッパでのマーケットシェアを落とすことを避けるために全力を尽くすだろう。LGはヨーロッパ中で、少なくとも最大市場でPS3を追跡しなければならない。オランダの決定は驚くほどの効果があったが、それ自体がいかに印象的であったとしても、ソニーを屈服させるにはさらなる展開がなければならない。


とまあこんな具合ですが、抑えた表現ながらソニーの立場で見ている感じですね。

製品の差し押さえがこれほど簡単にできてしまうのはオランダの特殊事情のようですが、そのオランダがヨーロッパにおける流通上の拠点であるのがソニーにとっての災難でした。

この記事は読者からのコメントを受け付けているんですが、これもソニーに同情する声が多いです。

「ウォアー、LGはいいかげんにしておけ。」

「LGは POWER 0F tEH C3LL を打ち負かすことはできない。」
tEH C3LL とはPS3に使われているプロセッサの「セル」のことでしょう。

「PS3の次のファームウェアでブルーレイ再生機能がはずされる可能性は?」

つぎは、DevineAlaine さんです。上で触れた以外のところ。
「LGはお気に入りのオランダの代理人であるBird & Bird(法律顧問会社)のキラン氏を使った。かれは弁護士としての力を利用してLGの代理として税関の領域に踏み込んで特許侵害があったという彼の考えを宣言した。それだけだ。ヨーロッパではこの訴えに現実の根拠があるかどうか審理が行われていない。それでもオランダの税関は仮定の紛争に基づいて数百万ポンドの物品を差し押さえ、それに伴う損失を引き起こそうとする。悲しいことに、これはオランダに特殊な状況であり、キラン氏がこれを拡大しようと動いても、それには他の27加盟国の裁判所の協力が必要だ。しかしロッテルダムの状況を迂回するのは簡単なことではない。…」

次もDevineAlaine 氏
「こういう紛争が他にもわれわれのところに持ち込まれるのか?ソニーはオランダの税関にLGの携帯を差し押さえるように訴えるのか?ブルーレイ再生技術を侵害しているとアメリカで訴えられているブラビアテレビも差し押さえるのか? ソニーとLGはかつて競争相手に対抗してブルーレイを開発するパートナーだった。やられたらやり返すけんかを続けていくのか。弁護士が儲かるだけだ。」

「そもそもソニーはブルーレイ開発の中心なのに、どうしてLGがソニーを訴えることができるのか。」

「これはPS3が360(マイクロソフトのXBOX)よりいいことの証拠だ。でなければLGはマイクロソフトか何かを止めようとするだろう。」


話は飛びますが、この件に関しては日本でもヨーロッパでも「LGはマイクロソフトとつるんでいる」という声があります。まさかそれは邪推のしすぎだろうと思いましたが、こんな記事を見つけると…

マイクロソフトとLG、Xbox 360の3Dゲームを使ったプロモーションで提携

LG電子ーマイクロソフトMOU締結式
LG電子ーマイクロソフトMOU締結式



LGはPS3と競合するような製品を出していないので、ソニーのゲーム機の販売を妨害してもそのこと自体では何の利益も得られず(賠償金を取るとか、自社の携帯への訴訟をソニーに取り下げさせる効果はあるかもしれませんが)、もし裁判で負けた場合は巨額の賠償を支払う羽目になります。
一方ゲーム機市場でソニーと任天堂と三つどもえの熾烈な競争を繰り広げているマイクロソフトにとっては、何がどう転んでも利益につながるわけです。

もちろんこれだけではなんとも言えませんが。

今の当面の焦点は10日を過ぎて差し押さえの延長が認められるかどうかというところですね。週明けになるでしょうか。

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テーマ:時事 - ジャンル:政治・経済

  1. 2011/03/05(土) 07:53:40|
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