日本の評判

世界は日本をどう見ているか。 英語と中国語のメディアから日本に関する記事をとりあげ、考えます。

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日中のソフトパワーは世界の何%?

レコチャの記事

中国のソフトパワーって言われても…=ハードに比べ後れ著しい世界進出

―中国18日、中国社会科学文献出版社は「文化ソフトパワー青書:中国文化ソフトパワー研究報告(2010)」を発表。中国のソフトパワーが世界の文化市場で占める割合は4%以下に過ぎないことが分かった。

2011年2月18日、中国社会科学院傘下の中国社会科学文献出版社は「文化ソフトパワー青書:中国文化ソフトパワー研究報告(2010)」を発表した。それによると、中国のソフトパワーが世界の文化市場で占める割合は4%以下に過ぎないことが分かった。米華字ニュースサイト・多維新聞が伝えた。

中国では、ハードパワーの発展は著しいものの、ソフトパワーはそれに比べ遅れており、両者には大きな差が存在している。同報告書はその原因について文化体制や国民の素養を挙げ、世界の文化強国との競合過程において、中国には代表的な世界レベルの文化集団がなく、ハイテク技術を基礎とした文化産業全体の競争力が不足していることも原因の1つだと分析している。

また、世界の中国文化に対するイメージは中華民族の悠久・壮大な伝統文化の段階で止まったままであり、簡単な方法で現在の中国で何が起きているのかを世界に知らせる必要があると指摘。双方向のコミュニケーションを可能とする新メディアがソフトパワーを広める新たなチャネルになるだろうとしている。


ほう、中国のソフトパワーが世界の文化市場で占める割合は4%以下か、じゃあ日本は何%位だろうと思って中国のネットをあたってみました。

すると、中国の「4%以下」というのは誤報とまではいえないまでも、誤解を招く表現であることが分かりました。

中国社会科学院の該当ページから引用します。

アメリカの文化産業は世界文化市場で43%を占め、EUは34%を占める。そしてアジア太平洋全体でたったの19%だ。そのうち日本が10%を占め、オーストラリアが5%を占める。残りの4%をほかのアジア太平洋諸国が分け合う。


日本の人口が世界に占める割合は1.86%、GDPが8.7%ですから、日本はそこそこの線をいっていると思います。まだまだ潜在力を出し切っているとはいえませんが。

で、日本とオーストラリアを除くアジア太平洋全体で4%。中国と韓国がこの中に含まれています。日本でのテレビ界では韓流ブームが起きていますし、中国や東南アジアでも韓流は日流をしのぐ勢いを感じます。韓国の文化産業力が中国を上回っていることは確実で、2%以上はあるのではないでしょうか。ということで、中国に残されているのは1%がせいぜいというところかな。

最近ベトナムの長距離バスに乗ったとき、車内で上映されていた映画はすべて香港製でした。(なんと、女性一人がすべての登場人物のせりふをベトナム語で棒読みするという安直な吹き替えでしたが)
インドシナではテレビでも香港製の時代劇をやっていたり、香港を筆頭とする中国の現代文化はかなり受け入れられているという印象があるにはあります。しかし、ビデオはすべて海賊版だろうし、テレビ局にしてもきちんと放映権料を払っているか怪しいものです。払っているとしても元来が所得の低い国々ですから二束三文でしょう。そういうわけで、中国の文化産業の輸出はなかなか金額として計上されないという事情があります。

相手国に知的所有権に対する対価を要求しようにも、自国がそれを尊重していないのですからどうしようもない。

中国で発行されている雑誌「看天下」2010年10月18日~27日号「正視するのが難しい日本」に次のような記述があります。

中国における日本文化の存在は、潜在価値にして十数億ドルのビジネスになることを意味する。日本国内において、ピカチュー画像の版権価値は毎年1000億円にも達する。日本のアニメ産業の年間売り上げは230兆円にも達し、日本のGDPの十数%を占め、日本の三番目に大きい産業になった。もし中国の少年が≪ピカチュー≫の正規版ゲームソフトを日本と同じ割合で買ったら、驚くなかれ1500万セットにも達する。日本の文化産業にしてみれば、知的所有権保護が国際水準に達したときの中国は尽きることのない金鉱になる。


2009年の日本のGDPが471兆円ですから、アニメ産業の売り上げだけで230兆円になるはずもないし、GDPの十数%を占める第三の産業であるわけもありません。筆者は何かの勘違いをしているのでしょう。しかしとにかく、
「日本の文化産業にしてみれば、知的所有権保護が国際水準に達したときの中国は尽きることのない金鉱になる
ことは間違いありません。

人口の2割にあたる2億8千万人が年間5ドル(410円・著作権料に当たる部分のみ。消費者が実際に払う金額はそれよりも多くなる)を使えば14億ドル。十数億ドルという数字はそんなもんかなと思います。

中韓に、テレビで日本のアニメを放送することを禁ずるなどの日本文化に対する規制をやめさせ、知的所有権に対する正当な対価を払わせるだけで日本の文化産業の世界に占める割合は10%から15%くらいまで跳ね上がるのではないでしょうか。

逆に中国にしてみれば、知的所有権保護を徹底させることは、莫大な富がアメリカを始めとして日本・ヨーロッパ・韓国に流出することを意味するのです。日本だけで十数億ドルということは世界全体では100億ドル程度でしょうか。

莫大とはいっても、2010年に3062億ドルの経常黒字をたたき出した中国にとってはたいした額ではありません。余裕で払えます。それでも中共政府は、面の皮を厚くして外国の要求をはねつけるだけで払わないで済む金は一切払わないという方針のようです。

中国人の間で日本のアダルトビデオに異常な人気があるというのは有名な話です。AV女優の蒼井そらのツイッターには92万人のフォロワーがあったといいます。AVが好きでもツイッターには興味がないという人もいるでしょうし、ほかの女優のファンも多いでしょう。それでも一人の女優に92万人ということは、日本のAVのファンが700万人を超えていても不思議ではありません。赤ちゃんから老人までの中国の全男性の実に1%にもなります。たまに見る、見たことがある、別にファンではないがよく見るという程度の人も含めればさらに数倍になるでしょう。男女含めて中国人の大人なら誰でも一度は日本のAVを見たことがあるという 書き込みを中国のネットで見たこともあります。
中国のマスコミに、嘘かまことか、日本の若い女性の500人に一人はAV出演の経験があるという記事が出たことがありますが、日本のAVに耽溺している人の割合でいえば、日本をはるかに上回って中国が世界一でしょう。

これだけ多くの人が見ていても、日本の業界には1銭も入ってきません。中国の業者が日本から盗んだコンテンツを使って濡れ手で粟の大もうけをしているというわけです。

中国当局も、建前では禁止しているはずなんですが、ポルノ規制を時たま言論弾圧の口実として使うだけで実際に取り締まる意思はないようです。実際、摘発するのに民主化運動を叩き潰すときの熱心さ、執拗さの10分の一でもあれば、著作権侵害など瞬時になくなるんですが。

知的所有権保護を国際水準並みにして、正当な対価を外国に払い、先にあげたようなベトナムのような国から対価を徴収したとしたら、おそらく受取額は支払額の十分の一にも満たないでしょう。たとえ小額であっても外貨の流出を嫌う、外貨を貯めこみたい中共政府に対しては知的所有権保護を推し進めるインセンティブが働かないんです。内外無差別の原則から自国民の著作権だけを保護するわけには行きません。だから国内の表現者に対しても正当な対価は支払われない → 彼らが十分な収入を得られない → 国内の文化産業がますます沈滞する → 文化産業の大幅
入超が続く → 知的所有権保護を推し進めるインセンティブが働かない、という悪循環に陥っているんです。

この悪循環を断ち切るには、外国に払う金は一銭でも惜しむという狭量な考え方を捨て、国際的に通用する正義にもとづいて外国に対しても自国民に対しても支払うべきものは支払うという制度を確立することによって自国の文化産業を振興し、ソフトパワーを高めていくしかないでしょう。もっとも、記事が言うように原因が「国民の素養」にあるとしたらそれも無駄なわけですが。

中国の文化産業が振るわないことの要因としてはほかにも表現の自由がないことがあります。アメリカの娯楽映画には、CIAなど政府に属する一機関がたちの悪い悪役として描かれていることがよくあって、それが結構面白かったりします。中国ではありえないことです。中国ではよく共産党の宣伝のような大作映画が作られますが、そんなものは外国人が見て面白いわけがありません。

また、「天安門虐殺」やチベットの平和的デモの武力鎮圧など、中国は粗暴で野蛮な政府を持つ国だというイメージがあります。そんな国に誰があこがれるでしょうか、誰がそんな国の映画やテレビドラマを見たり小説を読んだりしたいと思うでしょうか。

このように見ると、中国は政府自らが自国の文化の発展を阻害している面がたぶんにあることが分かります。中国が文化産業の輸出を増やしたいのならまず政府がやるべきことがたくさんあるのです。

冒頭の記事にはその肝心なことに一言も触れていません。中国のソフトパワーに関してほかに記事には、世界のニュースの流通において中国の報道機関発のものが少ないというのもありましたが、当然でしょう。肝心なことを何も書かない、中共当局の代弁でしかないような記事を無批判にたれ流すのは日本のレコチャくらいのものです。

そう、中国の報道機関が中共当局の意に沿った報道をするのはある意味しかたがないことですが、曲がりなりにも日本に籍を置く報道機関であるレコチャがなぜそれをそのまま要約するだけでこと足れりとしているのでしょう。なぜ日本人としての独自の観点を付け加えようともしないのでしょう。中国の言論弾圧を日本に持ち込むのはやめてもらいたいものです。

私は、中国が「4%以下」なら日本はどのくらいだろう?と考えましたが、それはこの記事を読んだ日本人なら誰もが持つ疑問ではないでしょうか。その答えはネットを探せばすぐに見つかりました。社会科学院のページにもあるし、中国の多くの報道がそれを引用しています。しかし、日本人向けであるはずの例の記事は日本人なら誰もが持つであろう疑問に答えようとはしません。

数字のことを言えば、「日本とオーストラリアを除くアジア太平洋全体で4%」という漠然とした数字しか示さず、それをまた「中国は4%以下」と言い換えるのもずいぶんと杜撰な話です。
中国の報道機関なら、いくら取るに足らない数字であったとしても、「中国の文化産業輸出総額は○○元で、これは世界の○%に当たる」と、きちんと示すべきではないでしょうか。しかしその数字は当の社会科学院のページを含めネットをいくら探しても出てきません。(青書を詳しく読めば見つかるかもしれませんがネットでは読めない)(別の古い記事に「2006年のわが国の文化産品とサービス輸出総額は47.9億ドル」とありましたが、世界の何%にあたるかはわからない)
このへんのいい加減さも中国の報道が世界に流通しないことの一因でしょうか。
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テーマ:情報の後ろにある真実 - ジャンル:政治・経済

  1. 2011/02/27(日) 22:53:29|
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