日本の評判

世界は日本をどう見ているか。 英語と中国語のメディアから日本に関する記事をとりあげ、考えます。

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中国式メンツの守り方

前回に続き、まだしつこくこの話題。

上海万博の開会式でこの曲がどう扱われるか注目していたんですが、予想通りでした。

お蔵入り?岡本さんの「そのままの君でいて」(前略)
だが、開幕しても、「そのままの君でいて」が歌われる気配はない。
(中略)
万博事務局の徐威スポークスマンも読売新聞の取材に「その件は承知していない」と回答し、当局は岡本さんの使用申請受け入れについても報道を禁止。著作権を巡る議論を排除した上で、国のメンツを守ろうとする意図をにじませている。



やはり、「死んでも誤りを認めないのは… 」で書いたたとおりの展開になってきました。

思うに、上海万博事務局は今後は例の曲を一切使用せず、岡本さんが「光栄です」と言っているのをこれ幸いに、責任も取らず、使用料も払わず、うやむやのうちに収めようとしているのではないかな。


彼らは、万博などという歴史に残る国家行事の主題曲の作曲者は(実質はともかく名目上は)中国人でなければならないと考えているのでしょう。日本人が作曲した曲を使うという選択肢はもともとない。ましてや、このような不名誉なごたごたがあった曲がそのまま正式なテーマ曲として広く歌われていくというのは耐えられない屈辱と感じているのでしょう。だから、「著作権上の紛争がある」などと他人事のようなあいまいな言葉でお茶を濁して白黒をはっきりさせないまま、曲の存在自体を抹殺する。そして何事もなかったかのごとく頬かむりしたままやりすごす。それが彼らにとっての「メンツを守る」ということです。

日本には、著作権料について、「中国でブレークした場合の資産価値が20億だから、5億ぐらいで手を打つのではないか」などどとらぬ狸の皮算用をしているマスコミもありましたが、中国人を知らない者の言です。彼らはこの曲をブレークさせる気がないんですから。本気で金を取りたいのなら、法的手段に訴えなければだめでしょう。それも、どのような判決を出すかは彼らの意向次第ですが。




4月29日、国家著作権局の記者会見がテレビニュースで放送されました。

「国家著作権局:万博歌曲は明らかな盗作ではない」

会見で主に論じているのは中米貿易摩擦に関してであって、万博歌曲については最後のところで「海宝」の問題と一緒に少し触れているだけなんですが、それでも、「国家著作権局:万博歌曲は明らかな盗作ではない」というテロップが画面につけられるところにこの問題への関心の強さが現れています。

関連する部分を和訳します。

5月は第二回中米戦略経済対話が挙行されるほか、上海万博が開幕する。しかし、開幕前に万博歌曲と海宝マスコットに盗作疑惑があるという声があった。許超(国家著作権局著作権管理司官員)が言うに、今のところ万博歌曲と日本の曲に相似度があることを発見しただけだ、万博実行委はとてもうまく処理した。

「相似度がある」というのは、似通っているという人がいることを前提にはしているものの、自分自身は「相似度」がどの程度のものなのかを明言しない、つまり似通っているとははっきりと言いたくないという立場を表した巧妙な表現です。(管理人による注釈)

彼はさらに説明する。「著作権抵触と特許侵害は違う。ある作品がほかの作品と相似度があるからといって、明らかな盗作というわけではない。だから偶然の一致か盗作かを行政機関が判別することはできない。司法機関が処理すべきものだ。」


中国のネットでの声です。

【人民を愚弄するのか。誰が聞いてもはっきりわかる。】

【国家著作権局:「万博歌曲は明らかな盗作ではない。こっそりと盗んだものだ。」】

蛇足の解説をしておきますと。「明らかな」を「堂々とした」という意味にとって
「堂々とした盗作ではない=こっそり」という皮肉です。

【この言葉がどうやって大脳を経て出てきたのか。死ぬほど恥ずかしい。】

http://comment.ifeng.com/view.php?chId=3433&docId=1472326&docName=%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E7%89%88%E6%9D%83%E5%B1%80%EF%BC%9A%E4%B8%96%E5%8D%9A%E6%AD%8C%E6%9B%B2%E4%B8%8D%E6%98%AF%E6%98%8E%E6%98%BE%E7%9B%97%E7%89%88&docUrl=http%3A%2F%2Fexpo2010.ifeng.com%2Fshipin%2Fdetail_2010_04%2F29%2F1472326_0.shtml


「偶然の一致か盗作かを行政機関が判別することはできない。司法機関が処理すべきものだ。」という見解自体は、当事者である万博実行委はともかく、直接の関係のない行政機関としてはもっともだと思います。ただ、中国には三権分立がないので、行政機関も司法機関も実質的に同じ権力の下にあるのですが。

私が注目したいのはむしろ、この部分です。

「万博実行委はとてもうまく処理した。」

前述の中国的対処法が国家的方針であることをうかがわせるところです。
やはり、潔く誤りを認めてはっきりけじめをつけるという美学は中国当局には期待すべくもないのです。

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テーマ:中国 - ジャンル:海外情報

  1. 2010/05/02(日) 14:09:35|
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