日本の評判

世界は日本をどう見ているか。 英語と中国語のメディアから日本に関する記事をとりあげ、考えます。

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毒餃子捜査-再実験のすすめ

中国公安が毒餃子事件について記者会見を開いて、メタミドホスが中国で混入された可能性はきわめて低いと主張しました。

産経ニュース
ギョーザ問題で、公安省が会見「中国内での毒物混入の可能性は少ない」


北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)
食の安全学再び:中国公安のいいぶん聞いてみる?



いまちょうど 労改(ラオカイ)―中国強制収容所を告発する という本を読んでいるんですが、そこに記述されている中共当局の対応と今回のそれが一致するところが多いことに気づきました。

この本は、反革命分子のレッテルを貼られて中国の強制収容所で19年を過ごしたハリー・ウー(中国名呉弘達)という人が中国の反人権政策を告発するために著した本です。彼はアメリカに出国後、三度にわたって中国の「労改」と呼ばれる強制収容所の現地調査を行いました。

それによれば、現在の収容所数は1155ヶ所、収容人員は600万から800万に達し、そのうちの10%は政治犯です。収容所では、囚人に奴隷労働が強制されており、生産された製品は世界中に輸出されています。

奴隷労働によって生産された製品の輸入を嫌う欧米諸国(アメリカでは法律に抵触する)の目をごまかすため、中共当局は、別会社を介在させたり、収容所にそれらしき企業名をつけたりなど、さまざまな方策を立てています。

ハリー・ウーとCBSの「シクスティ・ミニッツ」という番組のスタッフは、アメリカの貿易会社のバイヤーを装って強制収容所工場を訪問し、工場で働いているのが囚人であること、それに政府が関与していることの動かぬ証拠をつかみます。

本から引用します。

・・・CBSの一行は北京に飛んだ。ブラドレー〔番組のキャスター〕は対外貿易経済協力部の輸出入局副局長のトン・チークアンと会見するアポイントメントを取っていた。

トンは、問題をどこまでも追跡するという「シクスティ・ミニッツ」の番組特性に明らかに無警戒だった。ビデオカメラが回る前で、ブラドレーはトンに上海労働機械工場の幹部は、強制収容所製の輸出品を供給できると、はっきり言ったと切り込んだ。

「私は存じませんな」とトンは見事な英語で答えた。「私が承知しているのは、第一に刑務所関連の製造施設は対外貿易に参入する権限を与えられていません。許されていないのです。」

ブラドレーはトンに書類を振りかざして、これはどうです、上海のど真ん中ですよ、と追及の手を緩めない。「私には思いもよらないこと。そんなはずはないのだが・・・・。もし真実なら、中国の政策に違反している。中国政府はあなたの言う強制労働産品の輸出は断じて許可しない。」

「政府は取り締まるのですか。」とブラドレー。

「何かの間違いか、書類に疑問がある。」

ブラドレーは、強制労働産品の輸出が20%伸びたと自慢した政府発行の88年版貿易小冊子を振りかざして、「ここに書いてある。」と念を押した。

「私は知りません。」とトンは言いながら、周囲に視線を走らせて助太刀を求めた。警官たちにこの無礼な外国人どもを遠くの収容所に送り込んでほしいものだ、と言いたかったのだろう。

副局長は苦境にはまったことが分かるだけの分別の持ち主だった。中国には自由ジャーナリズムの伝統がないので、トンのように洗練され、雄弁で、教養ある官僚でもまったく度を失ってしまう。アメリカの役人ならカメラにほほ笑んでみせ、まばたきひとつせずに、「大丈夫」と平気でうそをつくことを心得ている。

しかし、トンは窮地を脱出できない。

「あなたの地位は?」。ブラドレーはねばり、ひどい間違いがある、とトンに言わせる機会を与えた。

「輸出入局の副局長です。」とトンは情けなさそうに言った。

この公文書についてはいかがですか? とブラドレーは聞く。

「公文書にも間違いはありますよ。」

ブラドレーは、米中双方が何の懸案も抱えずに取引に集中できるようになれば、事態は改善すると述べて、トンに出口を与えた。

「ビジネスはビジネスです」。トンはそう願いたいという表情で応じた。

このインタビューは9月にすばらしいテレビ番組になった。ブラドレーがインタビューを打ち切るまでに、トンはかなり面子をつぶしてしまった。「シクスティ・ミニッツ」を見た視聴者は、否定しようのない証拠を突きつけられたときのトンの荒れ狂った様子を忘れないだろう。

・・・・・・・

「シクスティ・ミニッツ」の担当部分の映像は、91年9月15日に放映された。「ニューズウィーク」の巻頭記事は立派だった。「ワシントン・ポスト」「ビジネス・ウィーク」と在米華字紙の「世界日報」も私たちの取材旅行を取り上げてくれた。その結果、アメリカ議会と税関庁による公聴会となった。

中国当局はエド・ブラドレーが中国国内の市街を歩き回ったときは、彼に注目しなかったが、今回は反応が違った。9月19日、北京の中国外交部スポークスマン呉建民は、声明を出した。「CBSと『ニューズウィーク』の記事は事実を著しく歪曲している。彼らは中国中傷で悪名が高い。イデオロギーと価値への偏見、および中国人民が選択した社会制度への激しい憎悪に基づいて、著者は是非を逆さまにし、善悪を混同した。

・・・・・・・・

・・・驚いたことに、中国は92年8月11日、なんと強制収容所の政策に関する白書を公表した。私たちの運動が〔ハリー・ウーらは「労改基金会」を設立した・引用者注〕この異例の釈明に追い込んだんだと確信している。

「中国は世界第一の人口をかかえる国家である。」と白書は言う。「それにもかかわらず、犯罪発生率は、経済発展を刺激し、社会の安定を維持するために人民の政治権力が採用した一連の政策によって、世界の平均よりもはるかに低い。・・・・・中国の犯罪者改造の基本的目標は犯罪者を別種の人間、すなわち、法を守り、自らの労働で自らを養う人間に変えること、、ならびに自由な市民に更生させることである。」

北京の主要目標を要約するのは簡単である。

(1)人民は改造できる。

(2)中国の法律に従って服役中の犯罪者の所与の権利は保護され、侵犯されることはない。

(3)犯罪者が生産的ないし社会的に有用な行為に従事することはきわめて重要である。

(4)犯罪者の多くは十分な教育もなく法律に無知な若者であるから、囚人が教養を高め、法律、道徳、文化の面で目覚め、 労働技能を獲得するのを幇助することは、労働改造の重要な任務である。

(5)説得の諸手段。図書館、本、演劇団。元囚人の講話。

(6)法に則り囚人の思いやりある扱い。

(7)犯罪者に対する処罰の遂行。

(8)犯罪者の雇用、再定住、教育と保護。


白書には答えよりも、問いのほうがずっと多い。収容所と囚人の総数、一般刑事犯といわゆる反革命犯の人数はどうなのか? 白書は4万件以上の控訴が受理されたと述べているが、公判手続きの不備を考慮すれば、この数字は信じられない高さである。

白書は、「犯罪者は通常の生活を送る権利を有する」として、刑務所内のタンパク質摂取の水準は国の平均に近いと主張する。料理を試食してみて、これも信用できないことが分かった。白書は、通信、信教の自由について言及しているが、私は双方とも存在しないことを知っている。白書はさらに、死刑判決を受けた衆人に与えられる2年間の執行猶予制度について述べ、「同期間中に労働改造を実施し、効果を見る」とする。本当だろうか。あるいは当局は、移植用に彼らの腎臓が必要になるまで彼らを生かしておくだけではないのか。

白書では、別のところで、「中国では、拘留者の製造になる産品は何よりもまず労働改造制度の需要を満たすために供用される」と述べている。そうだとするなら、なぜ監獄工場に偽名をつけ、うまみの多い強制労働者の使役を隠蔽しなければならないのか。


中国当局が自国で生産された後ろ暗い製品を世界に売りさばくため、そして自らの面子を保つためには平気で嘘をつくことが手に取るように分かります。今回の中国公安による冷凍餃子中国内毒物混入否定会見とまさに同じ構図です。 

中国は人権弾圧独裁国家です。本書に強制収容所の収容人員600万~800万のうち10%が政治犯だと述べられているように、己の権力を貪るために、罪のない人々を捕らえ、殺し、あるいは人生を破滅させることに何の良心の呵責も感じない輩が権力を握っている国です。

中共政府とは、自らの政治目的にしたがって、嘘をでっち上げ、真実を捻じ曲げることによってしか成立し得ない政権なのです。彼らに、真に科学的な方法を用いた誠実な捜査を期待するなど、八百屋で魚を求めるようなものです。

今回の件に限らず、日本政府はそのことを十分に認識したうえで対処すべきでしょう。




中国公安省の会見で私が注目しているのは次の部分です。

ギョーザの袋のメタミドホス浸透実験を行ったところ、「外側から内側に浸透するとの実験結果を得た」と明らかにし、あくまで責任は中国側にはないとの見解を示した。


たとえメタミドホスが袋の外側から内側に浸透することがあるにしても、それで言えるのは「毒が中国で混入されたとは限らない」ということであって、「中国で混入されたのではない」ということではないのですが。

中国側はたかをくくっているのだと思います。つまり、問題の餃子はすべて回収されてしまっているし、メタミドホスも一般人には入手困難なものだから、浸透の可能性など確かめようのないことで、最後まで、「浸透する」「浸透しない」と、中国公安と日本警察の水掛け論に終始し、うやむやに終わらせることができると。

私なども、それ自体としては判断の材料を持っていないわけですが、上に述べたような中国当局の特性を見れば、嘘をついているのはやはり中国側だと考えてしまいます。

今、一般人には確かめようがないと書きましたが、逆に言えばこれは、問題の製品のパッケージとメタミドホスさえあれば、誰にでも再現実験ができることでもあります。

日本政府(またはマスコミ)は、第三国の検査機関に再現実験を依頼することを考えてみればどうでしょうか。そこで「浸透しない」との結果が出れば、中国側に、どんな条件で実験すればそんな結果が得られるのか、嘘をついているのではないかと問い詰めることができるでしょう。


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  1. 2008/03/03(月) 11:36:55|
  2. 毒入り餃子事件
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「お粗末な品質管理の前歴」

About.comというサイトにあった、アメリカのニュースコラムニスト ブリジット・ジョンソンさんの文章です。

中国が毒入り製品の嫌疑を否定

人民共和国はなんどもやってきた:腎不全を引き起こすペットフード、子供の玩具に含まれる鉛、デートレイプ ドラッグ(デート中に女性に飲ませて意識をなくしてレイプする薬)を含む玩具、有害な練り歯磨き等々、そして今度は毒入り餃子だ。しかし、中国は、北京の近くの工場で作られたギョーザは日本で毒を入れられたに違いないと断言する。

(ニュースサイト・「アルジャジーラ」英語版記事「中国が毒入り製品の嫌疑を否定」からの引用があって、)

日本の当局が連続餃子毒物混入犯を捕まえそうにないことだけは言っておこう。中国には無数の製品のお粗末な品質管理のひどい前歴がある。内容物と衛生の根深い問題は、食品薬品管理局局長を処刑することでは解決できない。

しかし、日本に対する根拠のない非難は、とくに中国の輸出に数々の前歴があることでもあり、、両国関係を緊張させることになりそうだ。






Japan Probe という日本在住の米英豪人がやっている英語のサイトが「毒入り餃子非難合戦」と題して、フィナンシャルタイムズの記事「中国がどこか他のところで餃子に毒が入れられたと主張」を引用しています。

読者が投票できるようになっていて、結果を見ることができます。

餃子は中国で汚染された。     243  71%
日本で汚染された。          36  10%
汚染されていない。(陰謀だ!)    64  19%

投票総数343 (3月1日午後6時現在)


コメントが三つついています。

アレックス
「毒物混入がどこでなされたにしても、日本人の検査係が中国の工場で品質チェックをした。そして製品が日本に輸入されたときに検査があった。誰がギョーザに毒を入れたか知らないが、品質検査係はクビにする必要がある。」

ジョン K
確かな証拠がないので、双方とも疑わしい。〔要約です。〕

zaciroth
「ダンボールでダンプリング〔英語では肉まんも餃子も「ダンプリング」といいます〕を作って、客に売った人た人がいて、誰も違いが分からなかった。・・・・あちらの人は金をほしがる。・・・・彼らは、たとえ品物が悪くても、金のためならなんでもすることは明らかだ。・・・・・アメリカの鉛塗料玩具事件を見よ。」


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  1. 2008/03/01(土) 18:28:00|
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