日本の評判

世界は日本をどう見ているか。 英語と中国語のメディアから日本に関する記事をとりあげ、考えます。

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開いた口がふさがらない

まったく、開いた口がふさがらないとはこのことです。


ニューズウィーク日本版は今週号に慰安婦問題にも触れた安倍首相へのインタビューを載せていますが、そこにフィル・ディーンズというテンプル大学ジャパンキャンパス教授のコラムを付けています。

《 日本だけじゃない歴史のごまかし  アジア「負の遺産」は中韓にも存在するが 》

英語版はこちらで読めます。
Japan may have problems facing its historical crimes. But so do most of its angry neighbors.


慰安婦問題をめぐる安倍晋三首相の言い逃れが、当然のことながら近隣諸国の神経を逆なでしている。
だが、アジア諸国側にまったく欠点がないとはいえない。中国や北朝鮮、韓国、台湾の政府も自国の歴史的汚点をごまかしている。


で、中国共産主義体制がの大躍進政策の失敗で数千万人の命を奪ったこと、文化大革で耐えがたい苦難を招いたこと、多くの韓国人が自発的に日本に協力したこと、日本の植民地支配が韓国にプラスの影響をもたらした可能性があること、台湾の国民党政権の武力弾圧で2万人あまりが殺されたことなどを挙げています。

そのつぎ。


もちろん、日本と近隣諸国が患う「歴史の健忘症」には大きな違いがある。中国、北朝鮮、韓国、台湾は過去のいやな出来事を隠そうとする罪を犯しているかもしれない。だが、中国がチベットに、国民党が台湾に、北朝鮮が韓国に与えた苦痛は、国境が争点になっていたとはいえ、主に国内問題といえる。これに対して、日本は次々と他国を侵略し、人々を苦しめた占領者である。
日本は第二次大戦で無条件降伏し、侵略戦争の責任を公式に認めた。日本政府は自らの歴史に特別な責任を負っているのだ。その責任を誠実に果たさない限り、アジアにおいて歴史を政治問題化する動きは終わらない。


台湾が中国の国内問題ですか。台湾には中国をはっきり外国と意識している人が大勢いるんですけどね。

台湾の慰安婦問題 で引用した 「外省人国民党は台湾婦女を強迫して慰安婦にし39年の長きにわたって姦淫した 」 を書いた人もそんな一人です。

彼がいう「中国人」には台湾本省人は含まれません。中国人を「中国侏」「支那侏」とさえ呼んでいます。「侏」は小人(こびと)という意味ですが、豚を意味する「猪」と同音でもあります。

彼のような大多数の台湾本省人にとって中国人は悪辣な外国からの侵略者なんです。

チベットにいたってはもっとはっきりしています。中国共産党はもともと政治的にも文化的にも中国とは独立した地域だったチベットを侵略し、自国内に組み入れました。そして今に至るも不当な占領を続け、苛酷な弾圧を行ってチベット人を苦しめ続けています。

ディーンズ氏はそれをもって「チベットは中国の国内問題だから」免罪されると言うのです。まさにさかさま論理です。

「侵略の歴史」を公式に認めた日本、現在進行中の侵略の事実を決して認めようとせずに国内問題だと言い張る中国、どちらが非難されるべきかは自ずから明らかです。にもかかわらず、ディーン氏は「アジア諸国」(実際には中国、北朝鮮、韓国だけ)が政治目的から日本の歴史を政治問題化することが正しいと言いたいようです。

この人は自分の論理が破綻していることに気づいているのかしら。


この人はヨーロッパ人による南北アメリカ大陸侵略の歴史を忘れたのかしら。

アメリカ大陸を征服したスペイン人は原住民の富を略奪し、彼らを苛酷な強制労働に駆り立てて急激な人口減少に至らしめました。それでも今日の中南米の住民で多数派を占めるのは、顔立ちを見てもわかるように、インディオの血を引く人たちです。その点で、ほとんどの住人が白人と黒人であるアメリカカナダとはっきり違います(近年はメキシコからの人口流入はありますが)。米墨国境で人種構成がこれほど画然と分かれていることは、北米に入植したイギリス系を中心とするヨーロッパ人の原住民虐殺がいかに徹底したものであったかを物語っています。

徹底した抹殺政策の結果、北米の原住民は無視できるほどの政治力しか持たない少数派に転落しました。現代においてはヨーロッパ人のアメリカ侵略の歴史を政治問題化する主体は存在しません。

日本は中国を侵略したといっても原住民を抹殺して取って代わったわけでもなく、敗戦により撤退せざるを得ませんでした。中国人が今独立国を建てて歴史を政治利用しているのはその結果です。

このコラムは、いささか過激な比喩を許してもらえるなら、凶悪な強盗殺人犯が裁判官を気取っているようなものです。


ディーン氏は、日本や中国を歴史をごまかす健忘症に見立てていますが、最も重症の健忘症患者が自分たちヨーロッパ人だということを忘れているようです。そりゃそうでしょう。重症の健忘症患者ですから。


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テーマ:アメリカ合衆国 - ジャンル:政治・経済

  1. 2007/04/26(木) 18:03:52|
  2. 歴史認識問題
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