日本の評判

世界は日本をどう見ているか。 英語と中国語のメディアから日本に関する記事をとりあげ、考えます。

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「日本人」の正体

ある「日本人」との対話(1)(2)(3)の続きです。

あの手記には「後記」があって、それが結論部分なのですが、その前に、例の「日本人」の正体について考えるところを記しておきましょう。

あんな日本人がいるわけがない、これが日本人なら誰もが持つ感想でしょう。それは自明のことであって、いまさら証明する必要もないようなことですが、ここではそこのところを詳しく見ていくことにします。

1、中国語が異常にうまい

もちろん日本人にも中国語のうまい人はいます。しかし、日本で生まれ育った人ならどこか日本語なまりを残しているものです。NHK 中国語講座の講師といえば中国語の達人ということになるのでしょうが、ひどい日本語なまりの人がいました。日本人の中国語なんてそんなものです。(筆者も含めて)

中国にはほとんど別言語といえるほどの「方言」があり、また同じ北方方言に属するといってもなまりの差が大きいので、たいていの中国人は日本語なまりの中国語を聞いても、どこか別の地方から来た中国人だと思い込む傾向があります。

そこで注目したいのが、「彼」が流暢な北京言葉を話して見せたということです。北京は中国の首都なので、たいていの中国人なら北京言葉を聴き慣れています。その彼らにも流暢だと思わせるような北京言葉を話せるのは、やはり幼いころからそれを聞き慣れた人だけでしょう。

それに、それほど中国語ペラペラの人がアメリカのホテルでマネージャーをやっていたというのもおかしな話です。


2、中国の歴史や文化について異常に詳しい

もちろん日本人でも詳しい人はいます。しかし、彼の知識には中国人に特徴的に見られるものが散見されます。

たとえば「元清の少数民族統治」という用語。

日本人の歴史の常識では、元と清を「異民族王朝」 と言います。「元清の少数民族統治」なる用語は、モンゴル人と満州人が、中国の歴史が始まって以来現在に至るまで中国国内の「少数民族」だったとする中共政府の公式見解に基づいています。その用語の使用からは、彼が中国で教育を受け、中国の歴史書を読んできたことがうかがえます。

あるいは日本人でも、中国語で中国の歴史を論じようとすれば、中国の歴史書を読む必要があるかもしれません。しかし学者でもない日本人でそんな物好きな人がどのくらいいるのでしょう。

中共政府の膨張主義を正当化するために歪曲された歴史観を、なぜ日本人が中国人相手に受け売りしなければならないのでしょう。とくに彼のような、中国は日本に征服されなければならない、奉天は首都であるべき都市だという認識を持つ日本人なら、絶対にありえないことです!

ちなみに、満州国の首都は新京(今の長春)であって、奉天ではありません。

中国国内の東北人と南方人の性格についての描写も中国の常識そのままです。-中国には「北京愛国、上海出国、広東売国」という有名な言葉があります。

日本人が中国人を観察して気づくのは、中国人と日本人のとてつもない大きな差異であって、それに比べれば、中国人の中での地方による性格の違いなど取るに足らないことに思えます。実際、私がつくづく感じるのは、中国人というのは北から南までどうしてこうも同じような考え方をするのだろうということです。これは中国に長く暮らした人でも同じようなものなんじゃないかと思います。


3、中国と世界の征服を考えている(爆笑)

今の日本人に中国を征服しようなどと考える人はいません。今の日本に多いのは、反中というよりも嫌中、厭中とでも言うべきもので、中国などとはできるだけ関わりたくない、距離を置きたいというものです。

世界征服を夢見ている日本人などは絶無と言ってもいいでしょう。

近年一部の新聞などが盛んに書きたてている、「日本で高まるナショナリズム」といっても、それは北朝鮮や中国などの攻撃から国を守る手段を持つべきだとする防御的なものです。

世界征服をもくろむような攻撃的ナショナリズムは、むしろ中国人の間で広まっているのです。中国のネット上には、日本や世界を征服しよう、そのための国力を養おうと呼びかける書き込みが少しも珍しくありません。ある「日本人」との対話 (1)の冒頭に掲げた動画はほんの一例です。

中国人の反日情緒を喚起しようとして、大それた野望を持つ日本人像を創り出した「彼」ですが、その野望は中国人に多く見られるもので、日本人にはないものなのです。

そこで思い出されるのが前にも触れたことがある「投影性同一視」です。


投影性同一視による操作

ある種の精神病の患者は、自分の悪い姿を他人に投影してその人に対して嫌悪感を向けることがあります。
そうすれば悪いのはすべて他人ということになり、自分自身は善人でいることができます。
たとえば、患者が、「お前は、×××だ!」と言ったとき、「お前は」という部分を「私は」に置き換えてみれば、言っていることがそっくりそのまま患者自身にぴったりと当てはまることがあるのです。



4、野望を持つ日本人としてはありえない言動

不思議なのは「彼」の「いつかある日目が覚めて、身の回りの物がすべて他人の物だと気が付いて後悔したとしても遅いんだ! 」 という言葉です。こんな発言は、「彼」の目的には逆の効果しかもたらしません。本当に思想面での中国征服を考えている日本人なら、何もこんなに興奮して警告を発する必要はありません。黙ってほくそえんでいればいいのです。

他にも、若者の外国かぶれを嘆き悲しみ、軟弱な精神を叩き直したい一心の中国の愛国者の言葉と考えればいちばんぴったり来る言葉が随所にあります。

この手記の筆者は日本の漫画や書籍を専門に読ませる店に入り浸っていたのでした。「彼」はそんな日本かぶれの同胞の存在を許せないと感じ、嘆かわしい若者に活を入れるべく、警戒すべき、そして憎むべき日本人像を演じて見せたのではないでしょうか。

「中国人は劣等民族」や、「日本人が中国人を殺したってどうってことない」などは、憎まれるために言っているとしか思えない言葉です。

この手記からは、筆者と「彼」の心理の動きが手に取るように読み取れます。これほどの描写が一人の人間による完全な創作だとは考えにくいと思います。「~後悔したとしても遅いんだ! 」などとよく考えればつじつまの合わないことを言わせなくても、若者の独白として主張すればいいことです。


この手記の筆者はまじめで正義感の強い若者です。オウムや“原理”にのめり込むのもこんなタイプが多いのではないかと思いました。彼らは世の中のために働こうと真剣に考え、覚醒しない一般大衆にいらだち、純粋な正義感から反社会的な活動に突き進むのです。

共産主義の教義を誰も信じなくなった今、中共政府が人民の判断力を麻痺状態のまま保つため、次に投げ与えた阿片が反日です。それは大成功しました。

政府の反日教育に洗脳されなかったこの手記の筆者も、突然現れた“逆伝道師”にはころっとだまされて、熱心な活動家に変貌しました。


中国・反日の本当の理由で私は中国人の反日の根底にあるのは日本への劣等感だと指摘しました。民族自尊官能症にかかった中国人 の人民網の記事も同じ主旨です。今回のこの一文は、その劣等感の内実、そこから反日に至る心理の過程が見事に活写されており、興味深いものです。

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テーマ:中国 - ジャンル:海外情報

  1. 2006/11/21(火) 20:23:43|
  2. ある「日本人」との対話
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