日本の評判

世界は日本をどう見ているか。 英語と中国語のメディアから日本に関する記事をとりあげ、考えます。

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「日本の対中援助に感謝する」

前々回の「対中援助は施しではない」では触れませんでしたが、あの記事は実は「日本の対中援助に感謝する」という題だったんです。その中で、比較的公平かつ客観的に援助の性格について解説しています。前々回引用したのはその冒頭部分ですが、「対中援助は施しではない」云々も、予想される国内の反発をかわすための前置きだったのかもしれません。

これは今年の3月27日に人民日報ウェブサイト「人民網」の掲示板に投稿されたもので、「網易」からの転載です。体裁や内容から見ても執筆者はただの個人ではなく、政府関係者だと思います。


日本は23日対中円借款を残滓凍結し、閣議において借款額の決定を停止すると発表した。これは中日関係を揺るがすか、また中国の建設プロジェクトにどの程度の影響があるか、今後の観察を待つ。しかし、我々は“礼儀の国”の中国人として、長年中国に援助してきた日本の友人に感謝の声を発しなければならない。とくに対中援助に暫時の別れを告げる時期に。日本よ、中国はあなたに感謝する。あなたの27年来の援助に感謝する!


「重要なのは、貴国が困難に直面しているときにお互いに助け合って手を携えて克服することです。......北京市が一日も早くサーズに打ち勝てるよう、わが国の今度の援助が少しでも助けになればと心から願っています。」5月15日、北京市役所で駐中国日本大使館野本佳夫特命全権大使は北京市副市長張茅と和やかに握手した。
その日、77481ドルの値打ちがある2万着の防護服が北京市が所轄するサーズ重点病院の第一線に送られた。日本大使館経済部提供の資料によれば、サーズ流行の期間中、日本政府は北京に二人の専門家からなる緊急救援隊を派遣しただけではなく、5月8日と15日に2億5百万円の値打ちがある医療器械および15億円相当の緊急無償援助を提供した。

日本政府は今回のサーズ戦役において、最初に国際医療救援に参加した国であるだけでなく、最も積極的な援助者のひとつであった。

日本の対中援助の一部始終

サーズ対策は日本の対中緊急援助のひとつに過ぎない。実際、1979年から日本は毎年中国に対して大規模な経済援助を行ってきた。

大平正芳は中国人が覚える価値のある名前だ。日本の対中援助はまさに大平内閣に始まった。

「まさに大平首相の唱導の下、日本は対中援助を開始しました。これは当時の中国経済の発展に非常に重要な作用を及ぼしました。」馮昭奎は中国社会科学院日本研究所で日本経済を研究している学者だが、彼はかつて日本の対中援助について長期間追跡研究を行ったことがある。先ごろ彼は中国の工業化と中日関係について論文を書いた。その中で日本の対中政府間援助(ODA)について特に言及している。「中国の現代化建設加速に対して積極的な作用を及ぼした。」

しかし、さまざまな原因により、日本の対中援助は一般の中国人の間で周知されてはいない。馮昭奎の説明によれば、対中援助のことは1979年12月5日に大平正芳首相が訪中したとき、正式にトウ小平にもちかけた。翌年の4月、双方は日本が中国に提供する円借款の協議に初めて署名した。償還期限は80年。

日本大使館経済部の説明によれば、日本の対中援助は三つの要素がある。円借款は最も重要で、有償資金援助が含まれる。資金規模が大きく、償還はしなければならないが、貸与条件は相当手厚い:利率が低く、償還期間が長い。たとえば2001年の円借款は年利率がわずか0.75%-2.2%で、償還期間は30年-40年に達する。1980年から2000年まで、日本政府は中国に4回円借款を提供した。平均5年に一回借款総額を決定する。

中国社会科学院日本研究所研究員金煕徳が記者に語るに、この種の方式は建設期間が比較的長い大型案件に適しており、中国が円借款の使用を国民経済5カ年計画に組み入れるのに有利だ。「これはわが国に提供された一種の特殊待遇です。」

1979年に日本が初めて中国に円借款を提供すると表明して以来2002年3月まで、日本政府の対中円借款の累計は2兆8293億円に達する。これは人民元1433億元になり、外国政府の対中借款の半分以上を占める。

償還する必要のない無償援助は2001年末までで累計53.6億人民元で、対中技術協力は2000年末までで64.8億人民元に達する。援助項目は教育、医療、農業、環境保全等に及ぶ。

20余年の対中援助で日本は中国の最大援助国になった。総援助資金は24カ国の対中援助国駐の60パーセント以上を占める。そして中国は日本の対外援助においてインドネシア、ベトナムについで三番目の援助受入国だ。

1.日本は中国に対する最大の援助国
(図中の「徳国」はドイツのこと」




2.中国は日本政府開発援助の三番目の被援助国




3.日本の対中援助の支出額





4.中国経済の発展における円借款の貢献は明らか
【鉄道】
中国の電化鉄道総延長1万3千キロの内約4千600キロ(35.4パーセントに相当)は円借款を利用して建設された。あるいは建設中)




【港湾】
中国の港湾470の大型バース中、約60バース(12.8%に相当)は円借款を利用して建設された。または建設中。




【汚水処理】
中国の約1,100万トン/日の汚水処理能力のうち、約400万トン/日の処理能力(36.4パーセントに相当)は円借款を利用して建設された。または建設中(1998年3月末まで)






「否定できないのはわが国の経済急成長においてODA資金が果たした重要な作用です。」と金煕徳は語る。日本のODAを運用して中国は電化鉄道、港湾、空港、水利施設など多くのインフラを建設した。これらは中日友好協力史上の重要な一章だ

対中援助:互恵互利
第二次大戦を経た日本と中国、両国関係は長い間水と火のようであり、人民相互間に齟齬が生また。それなのになぜ中国を援助して中国経済の発展を助けなければならないのか?

「その理由は日本と中国が一衣帯水の隣国だというだけではなく、日本自身の安定と繁栄のためです。」日本大使館経済公使の目賀田周一は≪南方週末≫の取材を受けたときに語った。日本の発展には平和で安定した国際関係、とくに東アジアの安定繁栄が必要だ。このため、日本はODA方式を通して周辺の国家と協力、共同して理想的な環境を造ることを望む。そして最大の隣国である中国の対外開放と社会の安定は日本自身の発展のためにも大変有益だ。

事実上、中国は対日戦争賠償を放棄したため、援助の当初はこれを借りて感情と経済の面で補うという意味があったと金煕徳は明かす。

このほか、対中援助は日本の対外戦略上の必要もあった。経済の高度成長につれて、日本はその経済的実力に相応する国際的地位を追求し始めた。:日米経済摩擦は不断に激しさを増し、外交の範囲を拡大する必要を意識させた。:日本はソ連との関係上、歴史感情、領土、安全保障などの問題があった。「これらの要素はすべて日本が対中関係の発展を望むよう促した。」

「実際は、ODAの一部分は日本に“還流”し、日本企業の発展を促進した。」

(中略)
 
日本の対中援助のさまざまな方式

中日国交回復以来、日本の対中援助の特徴は援助が幅広く、重点性が強く、援助効果がよいことだ。長期の援中実践中、お互いに補い合う援助方式が徐々に形成された。

円借款、これは長期低利の借款だ。
(中略)
これらの資金はみな日本国民が納めた税金から来ている。

中国の多くの投資規模の大きい建設期間が長いインフラ施設は、みなかつて日本政府が提供する借款を得た。たとえば北京首都国際空港、北京市地下鉄建設案件: 重慶、大連、貴陽などの環境建設案件、湖南、湖北、江西の洪水防止案件、内蒙古、寧夏、貴州、新疆、甘粛、青海などの電話容量増設案件等々。日本政府が提供する5年近い円借款の内、約80%は購入対象を限定しない無条件借款だ。日本側が確定した“対中経済協力計画”により、今後円借款は中国の環境対策、人材育成、内陸地区開発等の領域に重点を移す。

無償資金援助  これは日本政府が中国に提供する一種の贈与で、その援助対処は主に基本生活、環境、人材育成などの領域の案件だ。日本政府は対中無償資金援助を1980年に開始し、2001年末まで累計で1297億円になる。この方面の代表的な案件は、中日友好病院の器材装備案件、中日青年交流センター器材装備案件、中日友好環境保護センター器材装備案件等。

(中略)

日本は中国の最大援助国

「わあ、ほんとに思いもよらなかった。北京地下鉄と首都空港が日本人の低利借款で建設されたなんて。」街頭で≪21世紀世界報道≫記者と話をしているとき、その女性はインタビューを受けたほかの人と同じく驚きを示した。「中国のマスコミはそんなことめったに言わないでしょ、だからよくわからない。」しかし、取材を受けた非常に多くの人は驚いた後こうも言う。「それは当然しなければならないことだと思う。当時我々は戦争賠償を放棄したんじゃなかったか!」

記者が北京の街頭で取材した中国の一般庶民からすれば、これらのことを聞くのは驚きだ。

(中略)

2001年8月、ベトナムを訪問した日本自民党幹事長山崎拓は「中国の国防費は13年間10%伸びた。日本の対中ODAは真剣に検討し直す必要がある。とくに金額が大きいことを考えると、今後の方針を十分議論しなければならない。」彼はホーチミン市での記者会見で言った。「東南アジア各国の国民は日本の援助に対して感謝する気持ちがある。この点で中国とは違う。」山崎拓は、日本の対中援助が中国国内で正当な評価を得ていないと考えている。

(中略)

感謝する: 勇気を出して口に出さなければならない

(中略)

結び: 我々は理性のある中国人だ   

さまざまな原因があり、多くの中国人は日本の対中援助プロジェクトをよく理解していない。また歴史問題が客観的に存在するために、日本の“政府開発援助”はこれまでずっと影の存在だった。しかし、人の知るところではなくとも、それは1979年以来27年間中国の建設において巨大な作用を発生させてきた。理性ある中国人として、我々は狭隘な民族情緒を捨て去り、日本からの援助に対して感謝の声を発しなければならない。以って我々の広い胸襟で中日の長い友好のための模範を示すのだ。


一般民衆の反日感情を抑えたいという中国政府の意図が読み取れます。それと同時に、日本政府に向けての関係改善のシグナルとしての意味もあったのかもしれません。

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【参考記事】
荒木由美子が中国のテレビに(1)
荒木由美子が中国のテレビに(2)
反日世論の軌道修正を図る中国

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テーマ:中国問題 - ジャンル:政治・経済

  1. 2006/11/03(金) 07:29:31|
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