日本の評判

世界は日本をどう見ているか。 英語と中国語のメディアから日本に関する記事をとりあげ、考えます。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

日本は核武装するか

前回言及したインターナショナル・ヘラルド・トリビューンのもう一本の記事 Martin Fackler 爆発は日本の新指導者の強引な政策をてこ入れするだろう です。


前回北朝鮮が強力な新兵器の実験をしたとき―1998年、日本最大の島を飛び越える弾道弾を発射した―日本は軍事力強化と政治的な右旋回で応じた。

今、外見上の核実験は日本を同じ保守の道に押しやるかもしれない。実験は、まだ確認されていないが、日本の戦後平和主義への支持を弱め、日本が地域安全保障に果たす役割を高めるように促すだろう。

しかしこの危機は戦後最大のタブーと打破し、核武装へ日本を向かわせるほど大きいか?

北の気まぐれで孤立した共産政権が突然核の起爆実験を行ったら、日本政府はそうするだろうと推測した人もアジアにはいた。しかしアナリストが言うには、その目論見に対する国内の反対は相当に深く、日本が非核原則を変えることはない。

日本に兵器級核物質の備蓄があることは知られている。それは民生用原子力発電と調査研究のために使用されているが、日本政府がその気になれば、数ヶ月で爆弾を製造できるとする研究もある。しかし、北が行ったと称する実験は、日本が核武装うするべきだという声を強めはするが、それは極右勢力に限定されるだろうとアナリストは言う。

1945年広島長崎に原爆攻撃を受けた唯一の国である日本で、核武装のもくろみは広範囲で情緒的な反対に直面するだろうとアナリストは言う。日本が核武装する可能性はまた、日本の侵略の記憶がいまだ生々しいアジア諸国を戦慄させるだろう。

むしろ、月曜日の外見上の実験の結果としてありそうなのは、日本の安倍晋三新首相と、日本をより自己主張の強いタカ派的方向へ導こうとする彼の呼びかけへの一般の支持が集まることだろう。とくに、日本の反戦憲法を改定し、日本が一人前の軍隊を持てるようにしようという安倍の目標を達成するチャンスが高まるだろう。

世論への衝撃はミサイルよりも核実験のほうが大きいことが立証されるかもしれないと曽根泰教慶応大学教授は言う。「北が核実験をしたからといって日本が核武装することにはならないが、安倍さんを彼の政策への大きな助けとしての“北からの風”にはなるだろう。」

今のところ、安倍は危機対応における主導的役割を果たそうとしているようだと曽根は言う。月曜日、安倍をはじめとする日本の指導者は 核実験と称するものを即座に非難し、日本はアメリカ、韓国、中国と緊密に連繋して対処していくと述べた。

安倍は、事前に予定されていた盧武鉉韓国大統領との会談に臨んでいたソウルで、実験を「日本と韓国と近隣諸国の安全保障に対する深刻な脅威だ。」と非難した。

「我々は北朝鮮の核兵器の開発と生産を容認できない。断固として対応しなければならないことを我々は合意した。」と、盧との会談の後の記者会見で安倍は述べた。「我々は新しい危険な時代に入った。」

安倍はまた、詳細は示さないものの、日本は経済制裁を検討していると述べた。彼はまた、アメリカと共同開発中のミサイル防衛システムへの参加を拡大することで対応かもしれないと言った。

東京では塩崎恭久官房長官兼政府主席報道官が、日本はアメリカとともに北に対する経済制裁を含む国連による行動を追求していくと述べた。

日本の国有放送局NHK は自衛隊(日本は軍隊をそう呼ぶ)の司令官が緊急会議のために東京に集まったと述べた。麻生太郎外相は、アメリカ政府と緊密な連絡を取って情報交換と対応の協議をしていると言った。

当面の問題は、北が主張しているように、実験をしたのかどうかと言うことだ。日本の気象庁は日本中の地震計が午前中の日正常なゆれを検知したと言った。弱い地震の規模のマグニチュード4.9だ。

アナリストは、北が核装置を爆発させたのだとしても、日本の政策や世論にどのような影響を与えるかは未知数だと言う。

1998年、北が日本を越えて多段式ロケットを発射した後、日本の世論は強力な防衛力構築への支持に劇的に変化した。即座の対応は初のスパイ衛星を飛ばすと言う日本政府の決定だった。

その後数年、日本はほんの十年前には考えられなかった武器を装備し始めた。その中には、小さな空母として機能すると専門家が言う部隊輸送船や、日本の戦闘機が北朝鮮まで到達することを可能にする燃料補給機がある。

日本の軍事面での対応は、短期的には、アメリカの共同開発するミサイル防衛での役割を拡大することにとどまりそうだとアナリストは言う。

しかし外交では、現在の危機は、日本が国際関係における戦後の伝統的な受動性から脱却して、もっと経済力に見合った役割を果たすための理想的な機会を提供するだろう。

一例として、日本とアメリカが北に対してさらに強硬な路線をとることが確実になるだろう。そして韓国と中国は経済文化交流を追求する宥和的な政策を見直すことを余儀なくされるだろうとアナリストは言う。またこうも言う。実験がアジア三国すべてが同じ脅威に直面する危機を作り出したため、日本が韓国中国との緊張関係を修復するチャンスにもなるだろう。

この危機によって安倍はアジア三国はみな同じ敵と対していると言えるようになる。」曽根慶応大学教授は言う。「これは彼がアジアとの関係を改善するチャンスだ。」


前回で取り上げた ニュース分析:中国の反応は北朝鮮との亀裂を示す で David Lague 記者はアナリストの言葉を借りるかたちでこう書いています

「日本で核武装の是非が検討されるようになるだろうとキャンベラのベーム〔アラン・ベーム・前オーストラリア防衛省高官・現安全保障アナリスト〕は言った。
「それはもはや右翼ナショナリストのためだけの問題ではない。」

そして今回の記事で Martin Fackler はこう書いています。

北が行ったと称する実験は、日本が核武装すべきだという声を強めはするが、それは極右勢力に限定されるだろうとアナリストは言う。

同じ新聞の別の記事で正反対のことを書いているのが面白いところです。

David Lague 記者は中国担当で、中国人やオーストラリア人にだけ取材して日本人には話を聞いていないようです。それで中国人の見方を反映した記事になるんですね。しかし日本の国内事情に触れる場合は、やはり日本人の意見も聞くべきでしょう。

banner_04.gif

スポンサーサイト

テーマ:国家防衛 - ジャンル:政治・経済

  1. 2006/10/13(金) 14:09:19|
  2. 日本外交
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。