日本の評判

世界は日本をどう見ているか。 英語と中国語のメディアから日本に関する記事をとりあげ、考えます。

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日本の核武装を懸念するアメリカ

北朝鮮の核実験が世間の耳目を集めていますが、それはアメリカでも同じで、どの新聞も大きく取り上げています。日本との関連で注目すべきは、その多くが申し合わせたように同じ懸念を表明していることです。つまり北朝鮮の核保有に脅威を感じた日本韓国など近隣諸国が核開発競争をするのではないかということです。北朝鮮の核そのものよりもむしろその波及効果のほうが心配だとさえ見受けられます。

ニューヨークタイムズはそれを悪夢だと表現したし、ワシントンタイムズも同じ懸念を表明していました。

ここではクリスチャン・サイエンス・モニターから。

※「核実験」という言葉の前後に「外見上の」(apparent)や「‥と称する」(clamed‥)などの言葉がついていますが、これはまだそれが核実験とは断定できていないためです。どの記事も決してそのまま「核実験」とは書いていないことに注目してください。 apparent や clamed をつけないときは、単に「実験」としています。いやあ、用心深いですね。


北朝鮮の外見上の核実験は、人類が知る最も強力な武器を抑制しようとする世界の長い努力に破壊的な影響を及ぼしうる。

専門家は長い間、北朝鮮政権が核兵器を誇示すればアジアは冷戦初期のような軍拡競争に引き込まれると心配してきた。悪循環はこのようになる:脅威を受けた日本と韓国は自国の兵器計画を開始する。中国は地域超大国としての地位を守るために爆弾を積み上げる。インドは中国に追いつこうと奮闘し、パキスタンはインドに対抗しようとする、そして....

しかしこの悪夢は不可避だというわけではないと専門家は指摘する。
すべてはアメリカなど関係国政府が核不拡散体制を修復するために何をするかにかかっている。それは欠陥はあるものの、何十年もの間世界のためによく機能してきた。
(後略)


インターナショナル・ヘラルド・トリビューンにこれに関連した二つの記事がありました。

そのうちのひとつ、ニュース分析:中国の反応は北朝鮮との亀裂を示す から関係する部分を抜き出します。


もし日本が北朝鮮への対抗として核兵器開発の誘惑に駆られれば、北朝鮮の実験はアジアの安全保障環境に広範囲な影響を及ぼしうるとアナリストは警告する。

(中略)

北朝鮮の実験のもっとも危険な帰結は、すでに相当な規模である日本の軍事力をさらに増強させる理由を提供することだと考える中国の安全保障アナリストもいる。

日本政府は、その軍隊が外からの攻撃に対応することと海外派兵を容易にするために、平和主義憲法を改定すべく動いてきた。

日本はまた、その軍隊が他国のそれと同じように運営できるよう、防衛の官僚機構を簡素化し、兵力を増強してきた。このような動向は、軍事的に強大な日本が隣国に再び脅威を与える可能性を危惧する中国から歓迎されていない。

日本は軍事大国になるためにその巨大な経済、最先端の製造業、高度な技術基盤を活用できると中国軍の高官は認めている。

これは中国をアジアの支配的な強国にしようとする中国政府の計画に深刻な課題を突きつける。

中国の解説者は、日本は北朝鮮の実験に強く反対したと発言している。

日本は、これを交戦権を回復し、軍を近代化するために憲法を改定する口実として利用できると閻〔閻学通・清華大学国際問題研究所所長・教授〕は言う。

それに、国際社会が北朝鮮に核計画を断念させることに失敗すれば、日本は核開発を考慮するだろうと考える専門家もいる。

その結果、日本で核武装の是非が検討されるようになるだろうとキャンベラのベーム〔アラン・ベーム・前オーストラリア防衛省高官・現安全保障アナリスト〕は言った。

「それはもはや右翼ナショナリストのためだけの問題ではない。」

北アジアにおける核武装競争の危険は、国際社会の武器制限の取り組みへの主要な脅威だ。

これは、日本はアメリカ政府が日本を安心させようと努めるだろうことを意味すると多くの専門家は考えている。


自国が核兵器を保有し、実戦で使用したことのある唯一の国であることを棚に上げて核不拡散を叫ぶ偽善者ぶりは、侵略によって成り立つ自国の歴史を忘れて日本に歴史を直視しろと説教するさまと共通するものがありますが、それは今は言わないことにしましょう。

クリスチャン・サイエンス・モニターさん、寝言を言ってはいけません。日本が核兵器を持たなくても中国はすでに核爆弾を積み上げています。

日本の核武装を心配することが杞憂であることは、もうひとつのインターナショナル・ヘラルド・トリビューンの記事が説明しています。

アメリカはむしろこちらのほうを心配するべきなのではないかと思います。


大紀元
米議会、核攻撃発言の撤回と朱成虎少將の免職を求める
--- 専門家:核攻撃発言は中国政府の計画---


中共中央軍事委員会が直接指導する、軍国防大学外訓系主任・朱成虎少将は、14日、香港駐在の国際メディアに対し、米国が台湾海峡での武力紛争に介入した場合、中国側が核兵器の使用を辞さないと発言した。朱少将は「弱い勢力は、最大の努力で強い勢力の相手を打ち破るべきである」との持論を展開した上で、「従来型の戦争なら、我々は米国に勝つことができない」とも話した。「これはあくまでも個人の見解」とした上で、いったん米国が台湾海峡での武力紛争に介入した場合、「我々は、西安より東の都市が全部壊滅することを惜しまない。その代わり、米国も数百の都市が犠牲になる覚悟をしなければならない」と、中国の強硬姿勢を示唆した。


朱成虎は後に処分を受けましたが、軽いものでした。
中国解放軍、核攻撃発言の朱成虎少将を処分


話は変わります。

小平が四川出身の客家であることは有名ですが、客家の居住地は広東省の梅県あたりが中心で、四川に移住したのは比較的新しいのです。では小平の先祖はなぜ四川に移り住んだのか、それは明末清初の時期に四川がほとんど無人地帯になったためだと言われています。

中国語版ウィキペディア「張献忠」から。


順治三年(1646)張献忠が成都を退出するとき、絶望のあまり、四川で空前の焼殺破壊を行った。40万の人口があった成都にわずか20戸の居民しか残らなかった。天府の国四川は壊滅的な破壊を被り、人口は少なくとも300万から一度はわずか8万人にまで激減した。


張献忠については日本語版ウィキペディアから。


明代末期の反乱軍の指導者。

陝西延安衛の出身。崇禎3年(1630年)に王嘉胤が反乱を起こすと、これに呼応した。一時は官軍に降ったものの、間もなく高迎祥の下に投じて、山西、河南を転戦した。後に李自成との反目から高迎祥の敗死を招くも、湖南、江西から四川に侵入して独立勢力を形成し、崇禎17年(1644年)には成都府に拠って大西皇帝を称した。

明滅亡後は、清軍の圧迫を受け、粛親王豪格の軍勢と交戦中に射殺された。

張献忠は嗜虐癖が異常に強く、残酷な殺戮を好んだ。


400年も前のことだから今の中国とは関係がないと言うなかれ。中国政府には現代の張献忠がいます。

中国前国防相・遅浩田上将の発言です。


ネットにリークされた、中共軍部の危険思想
―政権死守のためには核戦争も辞さない―

「どのような事態になっても、我々、中国共産党は、決して歴史の舞台から引き下がらない!我々は、歴史の舞台から退くよりも、あえて世界中の人民を道ずれに自決する道を選ぶ。“核の束縛”という論理があるではないか?つまり、核があるから、世界の安全は保たれており、死ぬときは皆一緒、という論理である。私の考えでは、党の運命は世界の運命と共にある、という束縛があると思う。もし我々、中共がなくなれば、中国がなくなり、そして世界も終わる、ということである。」


張献忠の時代と違って、今の中国は世界を破滅させるだけの武器を持っているから怖いのです。



中国政府の北朝鮮の核に対する危機感が薄いことは新聞記事からうかがわれます。彼らにとっては北朝鮮が核を保有することよりも、金正日政権が崩壊することのほうが悪夢なのです。だから政権を崩壊に導くような制裁には頑として反対し続けるし、北朝鮮に対する援助はやめられません。

しかし彼らは気づいていないのでしょうか。金正日も張献忠=遅浩田的心性の持ち主だということを。金正日だか他の政府高官だかは忘れましたが、遅浩田とほとんど同じ発言をしているのをどこかで読んだことがあります。

今、金正日は中国を恨んでいるでしょう。体制が崩壊するとすれば中国のせいだと思いつめるかもしれません。ですから、「その時」には中国が核による攻撃を受ける可能性があるのです。日本よりも距離が近い分だけその危険性は高いと言えるかもしれません。

そして、その日は刻々と近づいているように思われます。国連決議による本格的な制裁がなされれば決定的ですが、それがなくとも、日米等による金融制裁がすでに相当に効いているでしょう。核実験はその苦境を打開しようとする捨て身の賭けだったと思われます。

「北朝鮮の実験のもっとも危険な帰結は、すでに相当な規模である日本の軍事力をさらに増強させる理由を提供することだ」などとのんきに構えている場合ではないのですよ。

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テーマ:特定アジア - ジャンル:政治・経済

  1. 2006/10/12(木) 10:18:35|
  2. 日本外交
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