日本の評判

世界は日本をどう見ているか。 英語と中国語のメディアから日本に関する記事をとりあげ、考えます。

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うるさい隣人

Japan Probe という英語のブログが、AFPの記事から引用しています。

[韓国]政府は木曜日に日本政府が偽りの歴史認識に基づいて過去の過ちを正当化し美化する教科書を承認したことに強く抗議する。」という声明を発表した。

「政府は根本的な修正を要求する。」

右翼グループによって出版された教科書は中学校が来年から2011年まで使用できる。韓国政府高官は第二次大戦以前のアジア諸国と韓国に対する侵略を美化していると言う。
[後略]


コメント欄から。


なぜ彼らは教科書を作ってはいけないのか? 政府には検定システムがあり、承認されるにしても拒絶されるにしても、誰でも歴史書を書いていい。

状況を明らかにしてくれたことに感謝するが、現在のまっとうな日本に対するわめき声は収まらないだろう。


だから私は韓国に行かないんだ。馬鹿につける薬はない。


「新しい歴史教科書に腹を立てて」、大衆の人気を得ようとすることを韓国政府はやめないだろう。


小泉も同じことをやった。彼は人気を得るため、保守派の承認を受けるため、靖国の兵士に敬意を表した。


これは日本人が南京のような戦争中に犯した誤りを否定しているうちのひとつなのだろうか? 一部のドイツ人がホロコーストを否定したり、アルマジロヘルメットをかぶったアメリカ人が人類が月に降り立ったことを否定するようなものなのか?


この問いに対して何人かが答えています。

ちがう、ホロコーストを否定する教科書を出版するのは、ドイツ刑法では罪になる。
ホロコーストを公然と否定→現実の犯罪


林檎を梨に喩えるのはやめるべきだと思う。
ドイツ人の記憶には2種類ある。一つ目は、ドイツ人すべてがホロコーストに責任があるということで、当然だが、そのことを認め、謝罪してきた。
二つ目は、外国の領土を占領し、外国の敵と戦ったことで、そのことは一般には(日本においてもそうだが)正常な状況においては邪悪な政権に反対したであろう普通の人々が恐ろしい状況に巻き込まれたと認識される。これはドイツでごく一般的な戦争の語られ方だ。

二つ目の戦争の記憶は、日本における戦争の記憶と同種のものである。日本にはホロコーストはなかった。ドイツと同じように、戦争と占領があった。そして、前線や占領地で起こった残虐行為について謝罪するについては、日本人よりもドイツ人のほうがむしろ怠慢だ。この種の戦争行為について謝罪するときは、ドイツ人は、たとえば日本人がするような「国家対個人」の謝罪にまつわる複雑さにぶち当たる。

(中略)

教科書問題に戻れば、ドイツと日本の教育システムの産物として、ドイツの教科書はホロコーストとナチ政府が如何に邪悪であったかを語っていることしか私には思い出せない。ドイツの占領地での行為について長い記述はなかったのではないかと思う。
しかるに、ほとんどの日本の教科書は日本の満州占領や南京事件のような出来事を詳細に記述する。
我々が今話している本の前の版でさえ(今机の上にあるのだが)、一章丸ごと日本の中国における戦争についてであり、日本軍が南京で多くの人をを殺したこと、それが議論の余地のある問題であることの記述がある。

ゆえに、ドイツ人は占領中に犯した残虐行為については救われている。ドイツにはホロコーストがあり、それがすべてに影を落としているからだ。日本は政府が国内の少数民族を虐殺しなかったために、永遠に土下座し続けなければならない。


ちがう。うけあってもいいが、すべての国は歴史の美化をやっている。もし、歴史のすべての章に「はい、私たちは最低です私たちは最低です私たちは最低です私たちは最低です、本当にごめんなさい」と書けば、歴史は別の方向へ追いやられる。基本的に、これら教科書問題でやっているのは、日本人は冷血な戦争犯罪者だと書いてある歴史教科書か、「ちくしょう、そうだよ、俺たちはナンキンをやったよ。」と言わずに処理した教科書かということだ。

考えてみれば、アメリカの教科書も同じことをやっている。
アンドリュー・ジャクソン大統領を覚えているか? 彼は賞賛される英雄で、インディアンを殺して土地を盗み取ったことで20ドル紙幣の肖像になったが、誰もそれを語らない。


ちがう。これは韓国人/中国人が日本は戦争中の過ちを否定していると盲目的に信じているということだ。実際は違うのに。記事を読めば分かるじゃないか?


>もし、歴史のすべての章に「はい、私たちは最低です私たちは最低です私たちは最低です私たちは最低です、本当にごめんなさい」と書けば、歴史は別の方向へ追いやられる。

ドイツ人はそうすることを選び取った。誰もがそれを賞賛し、誰も、自分自身の行為について省みる必要性を感じず、道徳的優越感に浸ることができる。

二重基準の世界観で人々を洗脳することで教訓が汲み取れたか疑問だ。


私はドイツ人としてあなたに同意しない。

それはさておき。 われわれドイツ人は第二次世界大戦でどんな代償を払ったか知っている。そして自分たちの行為についてよく認識している。
私たちの道徳的優越性は、調和を保った社会、ヨーロッパでの経済における指導的地位、過去60年のヨーロッパ域内での平和的発展から来ている。


これらの教科書が本当にあの戦争を美化正当化しているか本当には分からない。

しかし、日本はいつも韓国の顔色を伺わなければなにもできないのか?
日本は自由な国であって、韓国(それに北朝鮮と中国)が言ったり抗議したりすることにすべて従う必要はない。私の見るところ、日本はよき隣人であるため、良好な経済関係を保つため、ときおりそれをやってきた。
日本は戦争中に恐ろしいことをやり、断罪された。日本はまた犠牲になった国に賠償として相当な貢献をしてきた。日本はまた、韓国、北朝鮮、中国に、受け入れられようが受け入れられまいが、公式の謝罪をしてきた。

韓国はまったく不快で面倒なうるさい国になっている。いつも邪魔をしていらいらさせられる隣人のように。ほかの場所へ移ることはできないし、彼らに移らせることもできない。我慢してできる限り無視するほかはない。ただ、無視すれば、彼らは叫び、わめき、哀れっぽく泣いて、近所中にあなたが無視したと触れ回る。
そんな隣人を持った日本を気の毒に思う。


おおそうか!!! 韓国の歴史を見るがいい。間違いがたくさんあることが分かるだろう。中国の歴史はガラクタで、彼らの言うことは日本が悪いとそればかり、しかし中国人は自分の歴史を知らない。

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  1. 2009/04/17(金) 15:19:11|
  2. 歴史認識問題
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「日本の歴史全体がファシズム」

前回、英語版ウィキペディアには「日本のファシズム」という項目があると書きました。
もう読まれた方も多いとは思いますが、いちおう引用しておきます。


日本のファシズム

「日本のファシズム」という一般的な用語は、日本のナショナリスト思想、その理念的基礎と政治における履行の概略を述べるときに使われてきた。もうひとつこの用語が使われる可能性があるのは、日本の右翼(極右)思想一般だ。それはまた、大和朝廷時代から明治時代までの日本の古い政体と昭和ナショナリズムとの継続性の主張とも関連付けられる。--江戸時代の国内の平和が封建時代と近代化の時代を分かつのではあるが。

ファシズムという言葉を日本との関連において使用することについては議論がある。これはひとつには、日本のファシズムは真の意味での政治的運動ではなく、日本の政治エリートが使った保守的な、ファシズムに類似した理念だったからだ。

日本のナショナリズムの基礎

実際、日本のナショナリズムはヨーロッパのファシズムと極めて異なっているが、それでも部分的には、その展開は類似性があると見られている。その要素はアジア的ファシズムまたは日本的ファシズム(Japanese Fascism)のラベルで論じられてきた。

ヤマト帝国は、唯一の強力な指導者(天皇)に率いられる国家としての概念だ。封建時代には武士とサムライを含む戦士階級が単一の総司令部的機構である幕府として組織され、それが国家の政治権力として機能した。この時代においては、それが基本的な社会組織、権力構造、法の土台をなした。それは三つの段階に分けられる。

鎌倉時代(1185-1333)
室町時代(1338-1573)
徳川時代 (1603-1867)

明治維新、すなわち日本帝国誕生の後、結果は上に述べたと同じに見えるが、また違った状況で展開した。

今度は、国家を拡張し、均一の国民教育と宗教をあたえる力を持ち、人民に国家の歴史に対して誇りを持たせる力を持つ指導者がいた。これは天照大神を中心とする天皇崇拝に発展した。

北一輝や中野正剛らのイデオローグの貢献が右翼組織とナショナリスト社会と結合したとき、日本版の中央集権国家に至る。

日本人は古代の思想と慣行の復活に刺激された。
サムライ封建主義、文化、慣行、神話の回顧的な要素は、アジア大陸を支配する日本の神聖な使命という国家的信念のために貢献した。

軍国主義

政治権力を維持しようという軍事指導者の欲望は、領土拡張という国家目標とともに、日本の軍事力の拡張とその政策に反対する者たちへの弾圧という結果をもたらした。
(後略)


一読してわかるのは、この文章が日本は歴史始まって以来一貫してファシスト国家であったと印象付けようとしている点です。そこに、「狼は毛並みを梳かして整えても犬にはならない。」と、日本の政治の現実がどうあろうとも、日本が本来的にファシスト国家であると強弁する戴旭さんと同じ意図が読み取れます。

同じ論法を使えば、中国で数千年来続いてきた一君万民、皇帝独裁の政治体制から説き起こして、中共によるチベット、トルキスタン等への侵略、建国以来変わりのない苛烈な人権弾圧、さらには近年の民族主義宣揚に伝統的な中華思想を結びつけて、「中国のファシズム」という項目を書き上げることもできそうです。

多少うがった言い方ををすれば、この項目は中国人の手によるのではないかと思えます。引用はしませんでしたが、汪精衛について詳しく述べるなど、中国に強いこだわりを見せているところからもそれは言えます。

思うに、この項目の筆者は「ファシズム」という誰もが認める項目の編集には介入できなかったために、このような項目をゲリラ的に作ったのではないでしょうか。私もウィキペディア編集の仕組みについては詳しくないので確定的なことはいえませんが。

この「日本のファシズム」という項目の存在には強い疑問を呈する人がいて、付属の「トーク」のページで議論されています。


このページは糞だ

このページはウィキペディアの水準にほんのわずかも合わない。太平洋戦争で最高潮に達するある種の日本の集団の思想の展開と歴史を述べる場所なら想像もできるが、このページは糞だ。この点で、全部を削除して「日本のナショナリズム」に入れ替えるべきだろう。正直言って、ページ全体から反日ヒステリーのにおいがふんぷんして来る。
--カール

言葉を穏やかにできないか?  (後略)
--チャールズ・マシューズ

この記事は間違っていると思う。強くそう思う。糞というのは私の気持ちを伝えるには弱すぎると思う。どちらにせよ、言葉を変えるつもりはない。
このページはゴミだ。何とでも呼べばよいが、間違いが正されない限り、このページは削除されるのが適当だ。

「ファシズム」という言葉を1930年代のヨーロッパの軍事政権以外に使うのは、はじめから一方的な偏見だ。日本の歴史全体を事実上「ファシズム」として分類するのは基本的に不必要に扇動的だ。

太平洋戦争期の日本軍国主義の根をもっと早期に始まる動きに求めるのは良いが、日本全体に中傷的なレッテルを貼り付けるのはウィキペディアのやり方ではない。

このページのコンセプトは別にしても、文法と文字の使い方がひどいので文章が読むに耐えない。
--カール

これは削除依頼が出されている。あなたには意見表明の権利がある。「攻撃的雰囲気」についてのコメントを読めば、なぜ私が懸念しているかわかるだろう。あなたが適当だと思っている言葉を使わなくとも意見は述べられる。私はあのようなページの内容を弁護しているのではない。
--チャールズ・マシューズ

わかった。言いすぎだったようだ。
だけどあなたが何を言いたいのかよくわからない。あれはネイティブスピーカーが読んでわかるように編集される必要がある。
(後略)
--カール



この項目の執筆にかかわった者が英語のネイティブではないと示唆している人は他にもいます。


ファシズムはどこにある?

(本文記事を引用して、)
ハー? ネイティブスピーカーでない者がここにかかわっていることがわかる。英語教師としての私の最良のアドバイスは文章をもっと短くすることだ。



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  1. 2007/08/12(日) 13:21:26|
  2. 歴史認識問題
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ファシズムという用語について


たいへん遅くなりましたが、 アメリカの刀を借りて日本右翼を殺せ 本文記事の「ファシズム」という用語についてコメント欄で意見を寄せられた方がおられるので、それに関連して。

「ファシズム」という言葉は単なる罵倒語として用いられているということですが、ある言葉を誤用する人がいることはその言葉が無意味であることを意味しません。
それに、くだんのブログの戴旭という軍人はその言葉を現代日本に対する罵倒語に近いものとして使用している気味がありますので、言葉の由来と定義をはっきりさせておくことが必要かと思います。

関連する箇所を抜き出してみます。


ファシストは人類共通の敵であり、日本の右翼は本質的には民族主義などではなく、当時のファシズムの毒が現代まで残っているに過ぎない。欧米は日本から空間的に遠く離れているため、加えて日本経済の奇跡と日本の指導者が何かにつけて叫ぶ民主国家の看板に惑わされて、歴史上日本軍国主義が根本から清算されてこなかったという事実を見落としてきた。狼は毛並みを梳かして整えても犬にはならない。欧米はいま目を覚ますべきだ。日本の右翼は以前は歴史問題で中国を挑発し、現在アメリカをからかい始めた。次は全世界を愚弄するだろう。

(中略)

アメリカは、現に日本との政治上の同盟国ではあるが、人類普遍の価値観に関しては基本的な良識をなくしたわけではない。そして、中米間には意見の不一致や衝突があるにしても、新ファシスト等の人類の敵に反対することにおいては根本的に一致する。


戦前の日本がファシズム国家であったことは中国では常識とされています。
たとえば人民網(人民日報のウェブサイト)の2005年9月の「反ファシスト戦争勝利60周年」という特集に「反ファシズム戦争 世界は中国の貢献を忘れない」という記事がありますが、「中国の貢献」とはもちろん「抗日戦争勝利」のことであり、記事中では「日本ファシズム」という言葉が何度も使われています。
また、9月3日の人民大会堂での演説でも、胡錦濤ははっきりと次のように述べています。
「中国人民の抗日戦争は世界反ファシズム戦争の重要な構成部分であり、世界反ファシズム戦争の東方における主戦場である。」

【関連記事】
人民網  世界反ファシズム戦争における抗日戦争の歴史的位置付け

第二次大戦における「反ファシズム」陣営の一員としての立場を強調したい胡錦濤をはじめとする今の中共の意向が如実に読み取れるところです。戴旭さんなどはさらに一歩踏み込んで、現代日本を人類の敵「新ファシスト」と規定してアメリカを利用して日本を押さえ込もうとさえしています。

では、中共が反日本連合の同志として期待する欧米ではこの問題をどう捉えているんでしょうか。

アメリカのコロンビア百科事典の「ファシズム」の項は両対戦間のイタリアとドイツについての記述が中心で、他にはオーストリアとスペイン、戦後の南米の政権に触れている程度です。日本についての言及は一切ありません。英語版ウィキペディアもほぼ同じです。
(少し前までの英語版ウィキペディアには「両大戦間のヨーロッパの政権以外がファシズムとして言及されるのはまれである」という意味の記述があったと思うのですが、今探したら見当たりませんでした。)

日本語版ウィキペディアには 「軍事独裁政権下の大日本帝国(天皇制ファシズム)・・・・等もファシズムに位置づけられることがあるが、ファシズムか否かでは論議が分かれる。」 という記述もありますが。

このように見ると、「反ファシズム連合」の重要な一翼であるという欧米に向けてのアピールは中共の独りよがりの空振りに終わりそうです。ましてや現代日本がファシズム国家などというのは荒唐無稽もはなはだしいことです。

戴旭さんの試みは、日本語版ウィキペディアで述べられている類のものと言っていいでしょう。(英語版にも同様の記述があります。)

「 ・・・第2次世界大戦前後の期間に集中して現れている。これら以外の国家体制がファシズムとされることはあるものの学術的な根拠は貧弱で、特定勢力のプロパガンダによる蔑称、反体制非難等の諜報戦、思想戦に利用される事も少なくない。俗用による語義の拡散が原因であるとも指摘されている。」

では、中共をファシストと呼ぶことも同様に根拠の貧弱なプロパガンダということになりそうですが、しかし、現実の国家体制においてファシズム国家と共産主義国家の類似性を指摘しているのは何も日本人だけではありません。陳礼銘という中国人は、「社会主義とファシズム」という論文で、両者の共通点として次の八点を挙げています。反体制側からの思想戦の様相を帯びていることも確かですが。

1、怨恨をつくる。
  永遠に敵をつくらなければならない。

2、自己を持ち上げる。
  人を「我々」と「彼ら」にわけ、「我々」の苦難をすべて「彼ら」のせいにする。そして恥知らずにも自己を「我々」の代表として任ずる。

3.迷信専制独裁。
  議会制民主主義を憎む。

4.暴力崇拝。

5.反対者の弾圧

6.勢力拡張

7.世論統制

8.経済壟断


そう言えば、中国のサイトで、次のような意味深長な問答がありました。

「ファシズムって何?」
「国家社会主義。」
「国家社会主義と社会主義はどう違うの?」
「それは誰も言えない。」

長くなるので引用はしませんが、 ■現代中国をどう見るか~ファシズム的共産主義の脅威 で、国民統合の理念を共産主義から民族主義に切り替えた近年の中国がナチス型国家にますます似てきていることが余すことなく論じられています。

英語版ウィキペディアの「ファシズム」の項には日本いついての言及がないと書きました。ところがそこには驚いたことに「日本のファシズム」(Japanese fascism)という項目があるのです。その件については次回にします。

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8月10日前後を最後にしばらく休止することになりそうです。 

 

テーマ:中国問題 - ジャンル:政治・経済

  1. 2007/08/08(水) 21:27:12|
  2. 歴史認識問題
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開いた口がふさがらない

まったく、開いた口がふさがらないとはこのことです。


ニューズウィーク日本版は今週号に慰安婦問題にも触れた安倍首相へのインタビューを載せていますが、そこにフィル・ディーンズというテンプル大学ジャパンキャンパス教授のコラムを付けています。

《 日本だけじゃない歴史のごまかし  アジア「負の遺産」は中韓にも存在するが 》

英語版はこちらで読めます。
Japan may have problems facing its historical crimes. But so do most of its angry neighbors.


慰安婦問題をめぐる安倍晋三首相の言い逃れが、当然のことながら近隣諸国の神経を逆なでしている。
だが、アジア諸国側にまったく欠点がないとはいえない。中国や北朝鮮、韓国、台湾の政府も自国の歴史的汚点をごまかしている。


で、中国共産主義体制がの大躍進政策の失敗で数千万人の命を奪ったこと、文化大革で耐えがたい苦難を招いたこと、多くの韓国人が自発的に日本に協力したこと、日本の植民地支配が韓国にプラスの影響をもたらした可能性があること、台湾の国民党政権の武力弾圧で2万人あまりが殺されたことなどを挙げています。

そのつぎ。


もちろん、日本と近隣諸国が患う「歴史の健忘症」には大きな違いがある。中国、北朝鮮、韓国、台湾は過去のいやな出来事を隠そうとする罪を犯しているかもしれない。だが、中国がチベットに、国民党が台湾に、北朝鮮が韓国に与えた苦痛は、国境が争点になっていたとはいえ、主に国内問題といえる。これに対して、日本は次々と他国を侵略し、人々を苦しめた占領者である。
日本は第二次大戦で無条件降伏し、侵略戦争の責任を公式に認めた。日本政府は自らの歴史に特別な責任を負っているのだ。その責任を誠実に果たさない限り、アジアにおいて歴史を政治問題化する動きは終わらない。


台湾が中国の国内問題ですか。台湾には中国をはっきり外国と意識している人が大勢いるんですけどね。

台湾の慰安婦問題 で引用した 「外省人国民党は台湾婦女を強迫して慰安婦にし39年の長きにわたって姦淫した 」 を書いた人もそんな一人です。

彼がいう「中国人」には台湾本省人は含まれません。中国人を「中国侏」「支那侏」とさえ呼んでいます。「侏」は小人(こびと)という意味ですが、豚を意味する「猪」と同音でもあります。

彼のような大多数の台湾本省人にとって中国人は悪辣な外国からの侵略者なんです。

チベットにいたってはもっとはっきりしています。中国共産党はもともと政治的にも文化的にも中国とは独立した地域だったチベットを侵略し、自国内に組み入れました。そして今に至るも不当な占領を続け、苛酷な弾圧を行ってチベット人を苦しめ続けています。

ディーンズ氏はそれをもって「チベットは中国の国内問題だから」免罪されると言うのです。まさにさかさま論理です。

「侵略の歴史」を公式に認めた日本、現在進行中の侵略の事実を決して認めようとせずに国内問題だと言い張る中国、どちらが非難されるべきかは自ずから明らかです。にもかかわらず、ディーン氏は「アジア諸国」(実際には中国、北朝鮮、韓国だけ)が政治目的から日本の歴史を政治問題化することが正しいと言いたいようです。

この人は自分の論理が破綻していることに気づいているのかしら。


この人はヨーロッパ人による南北アメリカ大陸侵略の歴史を忘れたのかしら。

アメリカ大陸を征服したスペイン人は原住民の富を略奪し、彼らを苛酷な強制労働に駆り立てて急激な人口減少に至らしめました。それでも今日の中南米の住民で多数派を占めるのは、顔立ちを見てもわかるように、インディオの血を引く人たちです。その点で、ほとんどの住人が白人と黒人であるアメリカカナダとはっきり違います(近年はメキシコからの人口流入はありますが)。米墨国境で人種構成がこれほど画然と分かれていることは、北米に入植したイギリス系を中心とするヨーロッパ人の原住民虐殺がいかに徹底したものであったかを物語っています。

徹底した抹殺政策の結果、北米の原住民は無視できるほどの政治力しか持たない少数派に転落しました。現代においてはヨーロッパ人のアメリカ侵略の歴史を政治問題化する主体は存在しません。

日本は中国を侵略したといっても原住民を抹殺して取って代わったわけでもなく、敗戦により撤退せざるを得ませんでした。中国人が今独立国を建てて歴史を政治利用しているのはその結果です。

このコラムは、いささか過激な比喩を許してもらえるなら、凶悪な強盗殺人犯が裁判官を気取っているようなものです。


ディーン氏は、日本や中国を歴史をごまかす健忘症に見立てていますが、最も重症の健忘症患者が自分たちヨーロッパ人だということを忘れているようです。そりゃそうでしょう。重症の健忘症患者ですから。


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  1. 2007/04/26(木) 18:03:52|
  2. 歴史認識問題
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客観的な主観

ながらくご無沙汰しました。
そろそろと慣らし運転を始めたいと思います。

ニューヨークタイムズのノリミツ オウニシ記者の記事です。


日本の教科書は修正された歴史を反映する

日本が日本の第二次大戦の歴史の見直しを進めていく中でのまた新たな徴候で、先週金曜日、新しい学校教科書は沖縄における主要な惨劇において皇軍に責任があるとはもはや認めないと政府は発表した。

戦争末期の数ヶ月、沖縄がまさにアメリカ軍の前に陥落せんとするとき、皇軍が民間人に集団自殺を命じたというくだりを削除するよう文科省が出版社に命じた。

この決定は、公立学校で使われる教科書の文科省による例年の検定として発表された。文科省はまた、ほかの扱いの微妙な問題も政府の主張に沿って書き変えるように命じた。検定は政治からの干渉に束縛されないとされているのであるが。

「検定制度は適切に運用されていると思います。」と安倍首相は言った。彼は戦時の日本の行為について教科書での扱いを弱めるよう長年活動してきた。

文科省はこれまで沖縄戦についての記述に異議を唱えてこなかったので、この決定は驚きだったが、それは戦時中に軍が女性たちを強制的に性奴隷にしたことを最近安倍氏が否定したことに続くものだ。

中国や韓国、それにほかのアジア諸国は毎年の教科書検定の結果を注意深く見守っている。だから、沖縄戦と性奴隷における軍の責任を―それは長らく歴史的事実として認められてきたのだが―また新たに否定することで、日本政府が現在の軍の役割を高めようとしているまさにそのときに軍国主義の過去を糊塗しようとしているという疑念がアジアにおいて深まることになりそうだ。

就任後まもなく、安倍さんは防衛庁を省に昇格させた。最優先の目標はアメリカによって課された、日本が攻撃能力を備えた一人前の軍隊を持つことを禁じた平和主義憲法を改定することだと彼は言ってきた。

沖縄戦で20万人のアメリカ人と日本人が死んだ。戦争中で最も烈しい戦いのひとつだった。それは日本国土での民間人を巻き込んだ唯一の戦闘だったが、沖縄はただの日本の一部分ではなかった。

日本が、今日まで独自の文化を保持している王国沖縄を公式に併合したのは19世紀末期になってからのことだ。第二次大戦中、多くの沖縄人がまだ異なった方言を話していたとき、日本軍は地元民を残忍に扱った。沖縄県戦争記念館は戦争の歴史について、沖縄をアメリカと日本との戦いに巻き込まれたと説明している。日本を西洋列強からの解放者として説明する靖国神社戦争記念館とはまったく相反する観点だ。

1945年の戦闘において、市民の四分の一が殺された戦闘において、日本軍は沖縄の防衛と安全に対する無関心を示した。日本兵はアメリカ軍に対する盾として民間人を利用し、勝ち誇ったアメリカ人は殺戮と強姦の乱暴狼藉に及ぶだろうと説いた。アメリカ軍の勝利が差し迫り、狂信的な日本兵に迫られて、民間人は集団自殺した。

「日本軍に自殺を強制された人々がいた。」とある古い教科書は述べていた。しかし文科省が命じる改定では「集団自殺に追い込まれた人々もいた」となる。

ほかの変更も同じようなものだ。当たり障りのない言葉への変更、題目の消滅、それと日本軍の責任の消去との組み合わせ。政策変更の説明として文科省は、「日本軍が集団自殺を強制または命令したことははっきりしていない。」と述べた。

安倍氏の性奴隷に関する否定もそうだが、文科省の新しい立場は、強制があったという圧倒的な証拠、とりわけ犠牲者や生存者自らの証言を過小評価しているように見える。

「日本軍に自殺を指示されたと証言している沖縄人は多い。」と沖縄の二大紙の一つ琉球新報は怒りの社説で書く。

※この部分、琉球新報の実際の社説では「日本兵から自決を指導されたと証言している住民は多い。」となっています。=訳者注

「自爆するために日本兵から手榴弾を渡されたと証言している人もいる。」

※おなじく、社説では「日本軍から手りゅう弾を渡されたという住民の証言もある。」

社説は、この変更は「政府の見解にあわせた」政治に影響された決定だと述べた。

安倍氏は1997年に「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の設立に助力した後、国粋主義者が戦後の日本人の誇りを奪った自虐史観と呼ぶものを拒絶する活動を長く率いてきた。

安倍氏の断固とした味方である元首相中曽根康弘は最近、自分が1978年に書いたことを否定した。

彼は「23歳で三千人の総指揮官」と題されたインドネシアでの帝国海軍経験についての回想録で、部下の中には「地元の女性に襲い掛かったり、賭博に興じる者もいた」と書いている。

「私は部下たちのために慰安所を設置してやった」と中曽根氏は軍事売春窟の遠まわし表現を用いて書く。

しかし、一週間前の外人記者との会見では、今は88歳の中曽根氏ははっきりと否定した。実際は、部下たちが囲碁や将棋などのゲームをするための「娯楽センター」を設置したのだと。

韓国外相宋旻淳は土曜日の麻生太郎日本外相との会見で安倍氏の最近の性奴隷についての発言を批判した。

「歴史認識の問題は韓日関係の前進を困難にしている」と宋氏は述べた。

麻生氏は、日本が過去の性奴隷に関する責任を認めた1993年の談話を継承すると述べたが、しかし軍が女性たち(その多くは朝鮮人)を強制的に性奴隷にしたことを安倍氏が否定したことについては何も述べなかった。


このNYタイムズのオウニシ記者の記事の最後の段落部分と、次に挙げる朝鮮日報日本語版の李河遠記者の記事を読み比べてください。

韓日外相会談:安倍・下村発言に麻生外相は謝罪せず」http://www.chosunonline.com/app/ArticleView.do?id=20070402000008
【宋長官は31日の会談終了後、記者会見で「麻生外相が、日本軍の慰安婦動員の強制性を認めた“河野談話”を継承するとの立場を表明した」と語った。しかし、麻生外相は日本軍の慰安婦問題自体について謝罪するという既存の立場を繰り返しただけで、このところ問題になっている日本の政治家らの暴言に対しては謝罪しなかった。】

NYT記事は朝鮮日報記事の要約のようなもlのです。要約が言いすぎなら、両者のものの捉え方、問題意識の持ち方が非常によく似ていると言っておきましょう。

オウニシ記者は東京特派員で、会談が行われたのは済州島ですから、あるいは彼は韓国から配信されたニュースを元に記事を書いたのかもしれません。

またあるいは、会談で何が話されたかを実際に知っているのは当人たちのほかには通訳ぐらいでしょうから、「謝罪しなかった」の部分までが宋外相の発言だったとも考えられます。

いずれにしろ、「謝罪しなかった」という言葉が前提にしているのは「麻生氏は謝罪すべきだ」とする考え方です。NYTの「何も述べなかった」も表現を弱めてはいるものの同様の主旨でしょう。

つまり、オウニシ記者は客観的な事実の提示を装いながら、韓国外相(または韓国紙)の主観を読者に押し付けているのです。

外国の外相同士の会談で一方の立場を、そうとははっきり感じさせない形で代弁するのはいかがなものでしょうか。それが如何に自分の考え方に近かったとしても。


残念ながら、私は沖縄戦について論評するだけの知識を持ち合わせていません。ですから本論からは外れますが、しかし重要なことに触れておきましょう。

ハワイはただのアメリカの一部ではありません。
アメリカが、今日まで独自の文化を保持している王国ハワイを併合したのは19世紀最後の年、1900年でした。ハワイ語は英語の方言ではありません。まったく系統の異なる言語です。

「ハワイ併合 アメリカ」で検索するとこんなページがありました。


アメリカによるハワイ王国の併合 --------------------
1881年、ハワイ王国のカラカウア王は、アメリカによって独立を脅かされているのを訴えるために日本を訪れ、明治天皇に二つの申し入れをした。

1)欧米諸国の侵略に対して、アジアの国々は連合同盟して当たらなければならない。
日本は、その盟主になるべきである。

2)王の姪カイウラニ姫の聟(むこ)として、海軍兵学校在学中の皇族、山階宮定麿王をお迎えしたい。
日本の力でハワイの独立を守ってもらいたい、と。

ハワイには明治初年より日本人移民が多く住み、ハワイ王国と日本は移民に関する条約を結び、正式の外交関係が成立していた。
しかし、明治天皇は日本とアメリカの国力の差を考え、摩擦をおもんばかって、丁重に申し入れをお断りした。

時に明治14年である。

それから12年後、1893年、王の妹リリウォカラニ貞応の御代、
アメリカは自国民の生命財産保護を名目に、海兵隊をハワイに上陸せしめ、翌日、王政を廃止し、女王を退位させた。

ハワイに入植し、少数派であった白人のアメリカ人たちが謀ったクーデターだった。

閔妃暗殺の僅か2年前のことであった。


日本政府は、その時、厳重な抗議をしたとの記録が残っている。

このクーデターの首謀者はアメリカに併合を求めたが、
当時のアメリカ大統領は植民地拡大に反対の民主党出身者であり、
併合は認めなかった。

しかし、アメリカはその後も強引に併合政策を進め、大統領が共和党になってからの1897年、ハワイ併合条約が調印され、1900年、ハワイはついにアメリカの属州となった。

植民地となったのである。


その後、ここにアメリカの大軍事基地が築かれ、太平洋艦隊の根拠地として発展したことはよく知られている。
それがパールハーバーである。
そして、イギリスのシンガポール、ソ連のウラジオストックと呼応して、三大軍港が日本を三方から牽制するように取り囲む体制が次第に整っていくのである。

(ちなみに、ハワイがアメリカの正式の州に昇格したのは第二次大戦後の1959年である。
真珠湾攻撃の時点で、ハワイは、まだアメリカの植民地であり、日本はアメリカの領土を攻撃したのではない。)


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テーマ:歴史 - ジャンル:政治・経済

  1. 2007/04/04(水) 03:37:58|
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